No.381
カテゴリ:ファンタジー
オススメ度5 ★★★★★☆☆☆☆☆
著者:岩本ナオ
出版社: 小学館
発売日:2017/8/10(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「いつかかっこよく 我が国のお姫様を助けること!!」
「このマンガがすごい!2018」のオンナ編1位!!
前作「金の国 水の国」に引き続き。
なんと!2年連続です!
どれだけ面白いんねん!って。
かなりハードル上がってしまいます。
ということで、早速読んでみました。
それがこの「マロニエ王国の七人の騎士」です。
あらすじ
マロニエ王国の女将軍・バリバラには七人の息子がいた。
彼らの大義は――
「いつかかっこよく 我が国のお姫様を助けること!!」
そんな彼らに与えられた任務とは…!?
やっぱりか!
またか!
これが1位ですと????
う、う゛〜〜〜ん・・・。
それが正直な感想です。
中世風のファンタジーな異国の世界が舞台。
ふわっとほっこりしたタッチながら、ところどころに緊張感をもたせてくる。
前作「金の国 水の国」と同じ作風です。
その前作が著者自身の試金石だったのか!?
今作はより深く、ゆっくり描いていこうという姿勢が感じ取れます。
1巻は伏線張りに終始。
前作より更にスケールは大きく、世界は広く。
ただそのせいか。
ストーリーのテンポが妙に遅い。
キャラも出しすぎた割には描ききれてない。
前作はまるっきり浅く中途半端だった政治的なアプローチを、丁寧に描いている印象はありますが、やっぱりどこかおかしい。
国の中枢を担うはずのキャラクター全部の存在が軽い。
まるで学芸会のようです。
明らかに設定資料や考察が少なそう。
1巻はまったく面白くなかったん。。
これが1位って。
この期待の高まりを、どうしてくれるんだ?
マロニエ国な人たち。
眠くない。
7人の騎士の長男。
城代の娘と婚約している。
「夜の長い国」に外交官として派遣される。
寒がりや。
7人の騎士の四男。
体感温度で髪の色が変わる。
お姫様。
時折、男装をして城の外へ抜け出す。
寒がりやと友達になる。
エレオノーラ。
城代の娘。男勝りの剣士。
そのネーミング!
マロニエ王国の女将軍バリバラの7人の息子。
7人の息子の名前。
この名前がすでに伏線です。
おそらく、秘密があります。
それが魔法なのか、何なのか?
でもねぇ。
このネーミングよ!
おダサすぎます。
それぞれの特性を表している…とはいえ。
こんな名前付けられた日にゃ。
グレるわ。
マロニエ王国の領土は真ん中。
ぐるりと他の国に囲まれています。
その他の国のネーミングもこれまた…。
で、その近隣諸国との関係改善のために外交特使として。
これから7人がそれぞれの国へ派遣されます。
7つの国で、7人分のエピソード。
これ、描ききれるのか!?
これで建国2000年?
マロニエ王国は、何と建国2000年!!
2000年ですよ!!
現代社会の西暦に置き換えてみましょう。
イエスさまが生まれたのが、西暦元年となります。
日本でいうと、弥生時代です。
稲作がやっと始まった頃。
そこから2000年足すと現代社会ですね。
携帯端末が普及してロケットが飛びますね。
つまりその期間ずっと続いてきた国ということ。
そんな国が、まだ住まいは石造りで馬車移動。
武器は剣と弓矢。
銃もなく。
ほぼ国の防衛は人力です。
孤立した島国ならいざ知らず。
周りをぐるりと敵国に囲まれた国境線が地続きの国。
そ・れ・が!
建・国・2000年!!
この重み、わかりますか??
そんな歴史ある国の中枢の外交政策が。
朝食のついでにチャチャっと決まる。
・・・・・・。
いっそ恋愛コメディにすればいいのに。
そうすれば、何も考えずに読めるのに。
変に緊張感をもたせたり、ミステリーを織り込もうとするから、そこへ感じる歴史の厚みのなさに興ざめしちゃうのよ。
せめて建国200年くらいにしとこうよ。
よりにもよって2000年って。
はじめは誤植かと思ったわ!
さて、評価は?
それなりに面白くなりそうな雰囲気はあるのですが、まだ微妙。
大ヒットした歴代の作品に見られるような。
一気にのめり込ませるパワーはありません。
正直、1巻読んだだけでは…。
次巻も読もうとは思えない内容です。
星3つかと思いましたが、あえてここは。
今後の展開も期待して【星5つ】で様子見です。
次巻に、予想を遥かに上回る展開を期待したい。
やはり一言、物申す。
「このマンガがすごい!」ですが…。
その認知度の高まりと反比例して。
どんどんクソったれになっていくな!
(*音声はカミナリで読んでください。)
去年のオンナ編発表の後にも疑問を呈する記事を書きました。
その時に1位となった「金の国 水の国」も明らかに微妙すぎでした。
岩本先生の作品を貶めるつもりなど1mmもない!
でもね!
やっぱりおかしい。
そんなに面白くない作品にビッグタイトルをあげるのは、やめてあげて。
著者自身もプレッシャーでしょう?
宝島社の「このマンガがすごい!」編集部はランキングを大々的に公表することに、もっと責任を感じてほしい。
大人の事情が透けて見えてつらいんだよ。
音楽業界で例えると。
レコード大賞が音楽事務所のパワーバランスで決まるため、その価値が崩壊しました。
それはすでに周知の事実となり。
今や視聴者は置いてけぼり。
誰もが鼻で笑ってしまうような、そんなランキングのSHOWレースとなり果てました。
「このマンガがすごい!」もそうなる未来像しか見えない。
本来の目的は?
埋もれてしまっていた優れた作品を世に知らしめるためのものだったはず。
ドウシテコウナッタ?
忖度しない!
あくまで自分の感性だけを頼りに。
これからも年間、数百出て行く新作を可能な限り追っかけてレビューしていきたいと思います。
【その他の 岩本ナオ 作品】
金の国 水の国
(2016)
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