ミステリと言う勿れ

No.420
カテゴリ:ドラマ・サスペンス
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆
著者:田村由美
出版社: 小学館
発売日:2018/1/10(1巻)
巻数:1~2巻以下続刊

「真実は人の数だけあるんですよ」

待ってました!
『BASARA』『7SEEDS』の田村由美先生の新シリーズ!

天然パーマの謎多き青年が、ひたすら喋くり、謎を解決していくというストーリー。

その飄々とした語り口と、独特の視点、切り口が面白すぎます。

それがこの「ミステリと言う勿れ」です。

あらすじ

ある日、突然任意同行された大学生、整。
近隣で起こった殺人事件の容疑がかけられる。
しかもその被害者は、整の同級生で・・・。
次々に容疑を裏付ける証拠を突きつけられた整はいったいどうなる・・・??


感 想

最初に言っておきます。

ミステリーではありません。
サスペンスでもありません。

じゃぁ、なんなんだ?

これは、一人の青年がひたすら語る物語。

ある時は一人芝居のように。
ある時は密室劇のように。

まるで舞台を観劇しているような。

そんな作品です。

まぁ、要するに。

面白いってことです!

ミステリな人たち。

久能 整(ととのう)。
大学生。天然パーマ。
カレー作りにこだわりがある。

池本 優人。
大隣署の刑事。既婚。
久能の洞察力を買って、何かと相談するようになる。

風呂光 聖子(ふろみつ せいこ)。
新米刑事。
久能の語りで刑事として成長していく。


事件はある朝突然に。

1巻って大事です。

作品の行く末を左右するプロローグ。

その一話目のエピソード。

ある日の朝、主人公のアパートに刑事がやってくるところから、物語は始まります。

主人公・整は友人の殺人事件の容疑者となり、取り調べを受けることになります。

さて、ここから真犯人を探し出す展開が始まるのか?

…と、思いきや。

なんと、このエピソード。

ひたすら取り調べ室のみで展開します。

刑事が入れ替わり立ち代りやってきて。
整から自供を引き出そうと取り調べを続けます。

そんな刑事たち相手に。

ひたすら主人公・整が語る。
淡々と語る。
私見を述べる。
なんだこれw

取り調べ、受けてる学生さんですよね??

その独特の人間観察力、洞察力。
これが鋭すぎて…。

おや?

おやおや?

何でわかるの!?

みたいに、刑事たちに一目おかれ始めます。

おいおい、刑事たち!

しまいには。

刑事もツッコミ!!

そうなるわ!
天才的な推理力を持つ青年が、ドヤ顏でトリックを暴く、、。
コナン的な!金田一少年的な!

そんな要素まったくナシ。

ただただ、語る。
その語り口に惹きつけられる。

こんなミステリー漫画はないかもしれない。

もう、一話目から虜です。


さて、評価は?

著者自身が「あとがき」でも述べています。

この作品は「ミステリと言う勿れ」と。

ひたすら青年が淡々と真実を語り尽くす。
そういう舞台演劇のような作品を作りたかったと。
なるほど!

限られた登場人数とシチュエーションで。
よくも、これだけ緊張感のある話を構築できるものだ。

…と、ベテラン漫画家の巧さを改めて感じます。

2巻まで読了。

何話か続きで1つのエピソードが終わる形です。
2巻までで3つのエピソードがありました。

そのどれも面白い。

ということで。

ミステリ好きの方も、そうでない方もにも。
【星8つ】でオススメします。

今後も期待。

1巻から読む
(2018〜)


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