フルドラム

No.382
カテゴリ:スポーツ
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:箱石 達
出版社: 小学館
発売日:2017/4/19(1巻)
巻数:5巻完結

「日野くんを信じます」

なんと完結です!

ああ…。
また好きな作品が突然に終わってしまった。

ラグビー版「スラムダンク」とネットで囁かれつつも。
正統派ラグビー漫画として注目を浴びていた本作。

それがこの「フルドラム」です。

あらすじ

運動音痴で、数多の部をクビになった男、櫻野高校1年生・日野。
彼はある日、運命の人との出逢いを果たす!!
その運命の出逢いがもたらしたものとは…!?


感 想
なんで終わったの!
もったいない!

巻数を重ねるごとに面白さを増していました。

それが5巻で突然の終了。

打ち切りです。

人気なかったのかなぁ…?

野球やサッカー、バスケ、テニスなどに比べて、圧倒的に少ない「ラグビー」漫画。

最近の日本でのラグビー人気の高まりに呼応するように、ラグビー漫画も増えてきました。

その中で。
正統派ラグビー漫画として、満を持して登場した本作。

僕的には、久々に毎回最新刊を楽しみにしていたスポーツ漫画でした。

本当に終了直前まで、終わる空気がないんですよ。

まだまだ続く物語の序章ってところ。

ライバル校との初対決が終わり。
これからどうなる?ってところで。

いきなり8年後。

それはないよお。

フルドラムな人たち。

日野晴成(ひの はるなり)。
1年生。運動音痴すぎて今まで各部をクビになってきた。
タックルにひときわ才能を見せる。

登戸綾子(のぼりと あやこ)。
1年生。ラグビー部のマネージャー。
日野の才能にいち早く気づく。

緑悠介(みどり ゆうすけ)。
1年生。元バスケ部。
驚異的なスピードと身体能力があるが、協調生がまるでない。

門脇清二(かどわき せいじ)。
3年生。櫻野高ラグビー部キャプテン。
元番長。日野のポテンシャルを見抜く。

麻倉史延(あさくら ふみのぶ)。
2年。192㎝、130㎏の巨体。
部内一の怪力。

小山。
2年生。背は低いが鬼の教育係。

釜田。
岸沢工業の1年生ながらエース。
登戸の中学時代の同級生。
登戸に振り向いて欲しいがためにラグビーを始めた。


スラムなドラム。

実は本作。

連載開始当初から、とある超有名作品とそのキャラクターの類似性が指摘されていました。

その作品とは?

⬇︎

⬇︎

⬇︎

ハイ!

そう、『スラムダンク』です。

読んでみると、わかります。

主人公は、素人でビッグマウス。

猪突猛進で周囲から浮きまくり。

可愛い同級生のマネージャーに恋をし、いいところを見せたくて頑張る。

そのマネージャーがいち早く主人公の才能に気づく。
で、褒められるとノリやすい。

ハイ!
まさにスラダンの桜木花道と赤木晴子さん。

主人公のライバルの緑悠介

同じ1年で俺様キャラ。

天才的な運動能力を秘める。

この二人が喧嘩しながらもお互いを認めていく。

ハイ!
まんま流川楓のポジション。

確かに似てるわ(笑)

もはや、著者も意識してキャラを作っていたとしか思えない。


ベタでいいんです!

スポ根モノの魅力って。

ズブの素人が、がむしゃらに成長していく姿を描く!

これなんですよ!

ラグビーという最もハードなスポーツだからか、この時代遅れともいうべきスポ根ぶりがハマります。

愚直でひたむきな主人公。
常識はずれな努力を重ね…。
やがて秘めた才能が開花していく。

これこれ!

こういうの!

応援したくなるんですね。

そういう意味では、この作品。

スラダンのラグビー版だ、なんて言われもそれだけ面白い作品ってことなんです。

どんどんと増えてくる先輩キャラクター。
登場するライバルたち。

スポーツ漫画の王道的キャラをふんだんに配置。

ドラマ性も深くなっていく様子を見せていたんです。


最初で最後の試合。

スポーツ物って。

主人公の1シーズンの活躍を20〜30巻かけて描いてたりしますね。

本作も3巻終盤から、高校総体の1回戦が始まります。

その1回戦の相手が、因縁ある岸沢工業。

この試合シーンが躍動感があって素晴らしい!
ラグビーのルールをよく知らなくても十分に楽しめます。

初試合の中で、どんどんとタックルの才能を開花させていく日野。

さらには。

試合中に再起不能なケガを負いながらも奮闘する日野。

ここでもスラダンの山王戦が被ってきます(笑)

なんやかんやで。
激戦に幕がおります。

1回戦からすごいテンションで描くな!
これ、次の試合とかどうなるんだ??

なんて期待が膨らんでいた矢先に。

次のページをめくると。
おおおおおおおい!!

なんでやねん!

なんで8年も経つねん!


さて、評価は?

作画も上手い。
熱さと疾走感を感じさせる描写。

ラグビーという登場人物の多くなるスポーツながら、そのキャラの描き分けも秀逸。

正統派ラグビー漫画として、名作になりそうな予感がしていました。
30巻くらいまで続けば、きっとそうなったはず。

それが、突然の終了。

がっかりだよ…。

終了間近まで、とても面白かった。
これからもっともっと面白くなっていったはず。

だからこそ。

もったいなぁ~い!!

全5巻。
面白いのに…。物語が未消化すぎて…。

読むと残念な気持ちにもなってしまう、【星6つ】です。

もっともっと続いてからレビューを書こうと思っていたのになぁ。

スポーツ漫画ってやっぱり巻数が多くなってこそだよなぁ。

そんなことを改めて思った作品でした。

全5巻を読む
(2017)

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