No.244
カテゴリ:SF
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆
著者:惣本 蒼
出版社: 講談社
発売日:2016/4/8(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「いつでも…自爆したい」
またも面白そうな漫画に出会いました。
情緒不安定なロボット??
なんじゃこりゃ?
と、試し読みで一発で惹きつけられました。
それがこの「FIX YOU」です。
あらすじ
平凡な女子高生・姫香は、防衛用巨大ロボットのパイロットに選出されてしまう。
だが、救世主たるそのロボットは、とある理由により情緒不安定な存在になっていた。
情緒不安定なロボットと操縦者となった姫香の孤独な戦いが始まる…。
このなんとも言えない終末感。
ゾクゾクきます。
平穏な生活。
変わらない日常。
でも、それは幻だった…。
SF的にはよくあるパターン。
文明が終わってしまった後のお話。
住民は自分がドームの中で暮らしていることすら知らない、、てヤツですね。
「自暴自棄になっているAI搭載の守護ロボット」というのがオリジナリティ。
そして、なぜ彼(ロボット)がそうなってしまったのか?
その謎を追う展開になりそうです。
とりあえず1巻では、まだまだ明かされないことが多すぎて。
でも、面白くなりそうなんだよなぁ。
FIX YOUの世界。
巨大ドーム。
1基につき800万人前後が暮らしている。
300年かけて世代交代が起こり、中の住民はドームの存在を知らない。
巨大ロボット。
高層ビルをはるかにうわまわる巨大さ。
300年間、ドームを守護している。
今ままでに442人もの操縦者がいる。
AIが情緒不安定で、すぐに自爆しようとする。
FIX YOUな人たち。
左京姫香。
操縦者として選ばれる。
周りから心配されるほどのドジっ子。
祖母もかつて操縦者。
陣崎虹一。
前任の天才操縦者。
何かが原因で殺されてしまった。
ロボットが情緒不安定となった原因になる。
細かいとこはいんだよ。
設定の諸々。
SF的に強引に押し切っています。
この巨大なロボット。
周りのビルとの対比から想像するに全長100m以上はありそう。
でかすぎじゃ・・。
操縦中は全裸。
水の中のようなコックピット。
これは完全に読者サービス設定。
そしてドームの成り立ち。
この説明が不十分かなと。
「異生物の研究標本として生き残る」ことを選んだためにドームでの生活になった、としています。
この異生物については完全スルー。
それ以上に何も説明はなし。
で、その貴重なドームを「何から」ロボットは守っているのか?
ドームを攻めてくるのは異生物ではなく「外の世界」の人間。
国が分裂し、カルト化した集団が「過去の理想の生活」を残したたままのドームを憎悪し、破壊しに来ているとの説明。
敵対してるのが人間同士ということ。
うん?なんで?
そもそも人間をドームに閉じ込め、研究標本とした異生物の存在はどこいった?
地球人を滅せるくらいのテクノロジーがあったんですよね?
生き残るためにドームに閉じこもったんですよね?
外の世界でもバッチリ人が生き残ってますやん。
しかも同じテクノロジーのロボ(多数)を使って攻めてくるぐらい体力がある。
そこんとこ、どうなの?
1巻では全く説明がない。
このあたりの矛盾が後ほど明かされるのか?
それともこれが壮大な伏線なのかどうかはまだ謎です。
いつもの。
細けえことはいいんだよ!
で読み進めました(笑)
さて、評価は?
空気感はすごく好き。
裸で戦う貧乳の少女。
このディストピア感。
初期の鬼頭莫宏作品を彷彿とさせます。
僕は好きなので【星8つ】でオススメします。
ちなみに。
タイトルの「FIX YOU」の持つ意味。
「Fix」は直訳すれば「修正する」になります。
クリエイト業界では「最終のVer」という意味で使います。
つまり「FIX YOU」は「最後のあなた」という意味なんじゃないかと。
そうなると、この物語の結末。
気になってきますよね?
バッドエンドが待っているのか?それとも・・・。
次巻が気になる作品です。
次も追っかけます。
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