No.190
カテゴリ:ドラマ・サスペンス/2巻完結
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆著者:原作:山本英夫 作画:池上遼一
出版社: 小学館
発売日:2016/2/29
巻数:2巻完結
「ようこそ我が子」
最近の漫画界。
え???
となるようなコラボレーションが増えてませんか?
このタッグ。
予想だにしていませんでした。
「殺し屋1」「ホムンクルス」の山本先生が原作。
そしてハードボイルド漫画の巨匠、池上先生が作画。
なんだか濃いい混ぜ合わせだぞ!
どうなるんだ?
と思って手に取ったのがこの「アダムとイブ」です。
あらすじ
衰退するヤクザ社会を立て直すべく、“スメル”と呼ばれる嗅覚に長けた男が結成した秘密結社。
その会合が突如、“透明人間”の襲撃を受ける!
1人、また1人と仲間が死にゆくなか、五感を研ぎ澄ますヤクザ達。
「透明人間VSヤクザ」の命をかけたやり取りが始まる….
特殊な密室劇です。
舞台はただ一つ。
会合に使われる高級クラブ。
そこに透明人間の男女二人組が殴り込み、ヤクザ達を倒して行く。
ただ、これだけなんです。
本当に。
気づいたら、もう終わり?
みたいな。
「透明人間VSヤクザ」って!
なんじゃ?この荒唐無稽な話?
を。
ここまで読ませてしまう、この技量!
恐るべし。
ヤクザな人たち。
ヤクザも普通じゃありません。特別に語感が発達しています。
嗅覚の男。
味覚の男。
視覚の男。
聴覚の男。
触覚の男。
第六感の男。
嗅覚の男、スメル。
この物語の主人公です。
このキレっぷりは、さすがの山本英夫節。
五感が発達したヤクザ達。(まとめちゃいます)
それぞれの能力を駆使して透明人間と対峙します。
なんだか少年漫画っぽい能力バトル風に書いてしまいましたが、そんなことはありません。
もっと猛々しい、暴力の匂いに満ちた作品です。
これぞ投げっぱなしジャーマン!
透明人間の正体は?
どこから来たの?
何のために?
肝心の謎は放ったらかし。
フォローもない。
最後に少し謎解きのようなシーンがあります。
でも、それが完全に投げっぱなしジャーマン!
しかも、その謎解きをする双子キャラが小保◯さんにクリソツ。
ほのかな悪意を感じてしまいます(笑)
このコラボは成功なのか!?
色々言いたい。。。
どういうことーーー!?
勢いで始めてしまった感がするのですが、真相はどうなのでしょう?
2巻終了は予定通りなのか、違うのか。
もし予定通りだとすると、あまりに不親切な終わり方だと思います。
山本先生の作品も池上先生の作品もずっと読んできています。
その両氏の作品で、こんな中途半端な終わらせ方をした作品は思いつきません。
というか。
こんな終わりにするなら、ヤクザ設定いらないじゃないか!?
98%までバイオレンス。
最後の残り2%がファンタジー。
終盤の裏切り感がすごい。
もう、無理やり着地した感じがします。
せめて5~6巻くらいまで描いて欲しかった。。
さて、評価は?
2巻までノンスットップ!
ずっと面白いのですが、最後の幕引きが納得いかなかったので、ここは【星6つ】とさせて頂きます。
もう、こんな贅沢なタッグは見れないかなぁ…。