ニコラのおゆるり魔界紀行

No.397
カテゴリ:ファンタジー
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:宮永 麻也
出版社: KADOKAWA / エンターブレイン
発売日:2018/1/15(1巻)
巻数:1巻以下続刊

「ポン!」

異世界モノが溢れ、やや食傷気味なこの頃。

少し風味の違った作品を見つけました。

まるで絵本のようなワクワク感。

魔界をエキゾッチックに、人情味たっぷりに、描きます。

それがこの「ニコラのおゆるり魔界紀行」です。

あらすじ

人間界から魔界に迷い込んだ少女・ニコラ。
通りがかった悪魔族の旅商人・サイモンに拾われ、旅に同行することに。
食べ物は合わない、人間だとバレたら追いかけられる。
向こう見ずで食いしん坊なニコラには、魔界の旅は困難でいっぱい!


感 想
うん、おゆるり。

まさにタイトル通り。

異世界モノの主人公って。
どこか狙ったところがあるキャラクターが多い気がします。

ですが!

本作の主人公・ニコラちゃんには嫌味がない。

天真爛漫、天然ボケ。
かと思えば、ちゃっかりもしている。

年齢相応に、コロコロと気持ちや表情が変わっていく。

その素直なキャラクターに、とっても好感が持てます。

作品全体に流れるゆる〜く、あったかい空気。
これは、まさに主人公が作り出しています。

ニコラとサイモンが魔界を旅していく中で出会うちょっとした出来事。

ほのぼのとした1話完結のエピソードが続きます。

なんかね。

こんな魔界があるなら行ってみたい。

そんな気になっちゃいます。


おゆるりな人たち。

ニコラ。
人間の少女。魔法使い。
「指から花を咲かせる」という魔法だけ使える。

サイモン。
悪魔族。行商をしている。
ニコラと出会い(拾い?)、ともに旅をしている。


大人の絵本。

えっと、小見出し間違えたか!?

関西で「大人の絵本」と言えば、かつての土曜深夜のあのアダルト番組を思い浮かべる方がいるかもしれません。

違いますよ!

アダルティな箇所など一瞬もないからね(笑)

大人が読むメルヘン。
大人が楽しめるファンタジー。

と、言い換えましょうか。

魔界のくせに。
悪魔のくせに。

やたら人間味溢れ、人情くさい。

ちょっと深イイ話的な。
そんなエピソードの数々。

魔界で身分が一番低く、臆病で卑屈で謝ってばかりのポペ族。

その子を励ましたり。

魔界の魔法大会に飛び入り参加しちゃったり。

飛び出す数々の名言、そして迷言。

からの、この戦いっぷり!

ニコラちゃん。。。

素敵やん。


さて、評価は?

今回が初読みの著者さん。

それもそのはず。
今作がデビュー作とのこと。

これは楽しみだ!

作画は個人的に好み。

必要以上にトーンは使わず、手書きでガシガシ描いているこの感じ。

可愛いキャラに異国風のエキゾチックな背景。

コマの隅々まで「魔界」を徹底して描く細かさ。

まさに「絵本」のように。

ページをめくってるだけで楽しくなる、そんな雰囲気があります。

エピソードはどれもハートフル。
あったか、ほのぼの。

お子様にも安心して読ませられます。

まずは【星7つ】でオススメしたい。

ニコラが魔界に来た訳は、1巻では明かされません。

それも今後の展開で楽しみにしておきたいところ。

1巻から読む
(2018〜)

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