創世のタイガ

No.338
カテゴリ:SF/ファンタジー
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:森恒二
出版社: 講談社
発売日:2017/8/23(1巻)
巻数:1巻以下続刊

「この世界で…生き抜いてやる!!」

ハイ、過去に行っちゃう系!

それも人類の起源にまで。

って、どんだけ!

「ホーリーランド」「自殺島」で有名な森先生の新作です。

それがこの「創世のタイガ」です。

あらすじ

大学の文化人類学のゼミ仲間とオーストラリアへ卒業旅行に出かけたタイガ。
一行は偶然入った洞窟で観光ガイドにも載っていない古代の壁画を発見する。
直後に起こる崩落。

入り口とは別の穴から外に出ると、そこはマンモスや古代の巨大哺乳類が跋扈する世界だった!!


感 想

洞窟に入ったら石器時代にタイムスリップ。

なんでやねん!

なんて、ヤボなことは言わない(笑)

正直、このファンタジーバリバリの導入部から入るとは意外でした。

「ありえない」ことが起こり、始まる異世界サバイバル生活。

だがしかし。

導入部だけはSFなものの、後はひたすら現実的な描写が続きます。

装備も何もない大学生グループが石器時代に放り込まれたら?
マンモスや古代生物が跋扈する世界で生き延びることができるのか?

ということで。

荒唐無稽なこの設定ながら、どこまでリアルなサバイバルを描くのか。

そこに興味深々です。


サバイバルな人たち。

タイガ。
彼女に振られたばかり。
自転車で自分探しの旅に出たりする「青い」青年。

アラタ。
タイガの良き理解者。
現状を冷静に分析する。

リク。
アウトドアが趣味のサバイバルに使える男。
古代生物にも詳しい。

サークルのメンバー。
男女合わせて合計7人。
見知らぬ洞窟を探検中にタイムリープする。


古代の生物たち。

本作の見どころ。

それは極限のサバイバル!

…には、今後なっていくはず。

1巻では、まだそこまで描かれていません。

それよりも目を引いたのが、今では絶滅してしまった古代生物たち。

およそ100万年前の「更新生」という時代にタイムスリップしています。

そこで出てくる巨大な哺乳類たち。

カリコテリウム。
馬のような顔に手にはかぎ爪。

マンモス。
言わずと知れた、かつての地上最大の哺乳類。

ネアンデルタール人。
ホモサピエンスと地上の覇権を争った。

*武器を持ったおっさんではありません。


順応しすぎ!?

「生き抜く強さ」をテーマに描く森作品。

ということで。
毎回、最初は主人公が弱々しい。

いじめられっ子だったり、自殺志願者だったり…。

それが物語が進むにつれて。

力強くなっていく。
生命力が漲っていく。

序盤は弱いのに終盤で見違えるほど強く!
物語の性質上、このような人物像になるのかと。

本作の主役のタイガ君もそう。

1話目では、夢見がちな「生きる意味」を見つけられないでいる青年。

それが、過去に飛ばされたと理解するや。

真っ先に現実を受け入れ、顔つきが変わっていきます。

タイムスリップして数日で。

槍を自作して、この決意。

順応するの早くない?

貴様、現実世界に未練はないのか!!


さて、評価は?

前作「デストロイ」もSFながら現実世界が舞台でした。

今回はまるっきりの異世界。
というか大昔。

誰も見たことも、知ることもない「過去の現実」。

それが、どれほどのリアリティを持って描かれていくのか?
そこに注目していきたい。

今後は、ホモサピエンスとネアンデルタール人の争いにも巻き込まれる展開が予想されます。

7人は無事に帰れるのか?
それとも帰れずに過去で生き抜くのか?

この作品は完結まで見届けないと評価はつけれません。

まずは様子見の【星7つ】

これは最後まで追っかけます。

1巻から読む
(2017〜)


【その他の森恒二 作品】

デストロイ アンド レボリューション 全9巻
(2011〜2017)

自殺島 全17巻
(2009〜2016)

ホーリーランド 全18巻
(2001〜2008)

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