No.328
カテゴリ:ギャグ/ドラマ・ヒューマン
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:小路啓之
出版社: 集英社
発売日:2017/3/17
巻数:1巻完結(未完)
「ペキンパーでお願いします!」
世間はお盆でございます。
亡くなった方を偲ぶ、そんな時期。
ということで。
一つの作品をご紹介したいと思います。
それがこの「雑草家族」です。
あらすじ
家族のカタチを問う、異才・小路啓之 未完の作品。
次女が暴行被害に遭った七草家。
警察か? 泣き寝入りか? 緊急家族会議で決まった答えは──復讐!?
クセモノ揃いの両親&一男五女、大家族の“冒険”が始まる!!
【絶筆】= 生涯の最後に書き残した作品。
昨年10月、自転車事故で亡くなった小路啓之先生の最後の作品です。
このニュースはショックでしたね。。。
当時「ミラクルジャンプ」にて連載中だったのが、この「雑草家族」です。
物語は、あと1話で完結!というところでした。
これは、あるヘンテコな家族再生のストーリー。
バラバラだった家族の元に突然起こる大事件。
さて、どうする?
一癖どころか二癖三癖ありそうな登場人物たち。
みんながみんな、突拍子もない行動をしていきます。
ハッピーエンドかバッドエンドか!?
一体どうなるんだ、こいつらは!
で。
最終話の直前。
物語が最高に盛り上がってきたところ!
「ええ〜〜〜〜〜!!」
というところで終わってしまいます。
突然のカットアウト。
うおおおお。
こんなことってありますか!?
これはオチが気になる(泣)
七草家の人たち。
長兄・セリ。
七草家で唯一の常識人。
長女・ナズナ。
エロいことばかり考えている色情魔。
次女・ハコベ。
ほとんど喋らない無口。
事件の引き金の被害者となる。
三女・スズナ。
ボク呼びをする女子。
空手をしている武闘派。
四女・スズシロ。
七草家の家事を一手に引き受ける。
世話焼き屋さん。
五女・ハハコ。
まだ3歳。
母・ヒラコ。
家事も何もしない。
究極の放任主義。
父・ナナシ。
無職。二階の自室に引きこもり中。
これは復讐劇!?
冒頭シーン。
服がビリビリに裂かれた、ショッキングな姿で次女・ハコベが帰宅します。
これはレ○プにあったんじゃないか!?
家族会議が開かれます。
警察に届けるのに賛成か反対か。
紛糾する家族会議。
そこへ引きこもりだった父が第三の提案をします。
「家族一丸となって強姦魔に復讐する!」
マジか!?
この流れだと、なんだか重ための家族ドラマみたいですが。。
実は違うんです!!
そこには家族再生のために仕組まれた、驚くべき真相があるのです!
って、その最後のオチが描かれず終わってしまうのです。
さて、評価は?
作者の急逝で永遠に未完となってしまったこの作品。
きっと小路先生は結末を考えていたはず。
描ききれず終わってしまったのはさぞ無念だと思います。
「未完の傑作」などと安易に呼びたくない。
著者は未完にするつもりなど毛頭なかったはずですから。
だからこそ。
あくまで一つの作品として扱いたい。
ラストのオチでどれほど輝いたかは、今となってはわかりません。
でも最終話の一つ前、事実上の最後となった7話では、あまりに展開が無茶苦茶になりすぎて「これ着地できるのか!?」という状態でした。
果たして納得いくラストが迎えられたのかどうか?
あとがきに担当の編集者から読者へ宛てた一文が載っています。
まさにその通り。
そのぶっ飛んだ感性。
最後の結末へのミラクルな着地が読めなかったのが残念です。
オチが気になるわぁ…の【星6つ】で。
小路先生の最後の作品、ぜひ読んでみて欲しい。
でも、最後がめっちゃ気になってモヤモヤしますよ…。
作者の急逝で未完となった作品たち。
未完の作品というのは世にたくさんあります。
いわゆる「打ち切り」や「雑誌の廃刊」など。
ただし、そう言った場合は「なんとなくまとめて」終わっていたりします。
しかし、著者の急逝による終了作品は違います。
突然のカットアウト。
ブチッと話が終わります。
予期せぬEND。
まだまだ物語は続くのに。
だからこそ、強く印象を残していきます。
僕的に特に印象の強い、作者急逝による未完の作品です。
クレヨンしんちゃんは別格として。。
他の作品はどれも「続きが読みたかった」という作品ばかり。
特に、みず谷先生の作品は小学生の時から「人類ネコ科」のファンでしたから。
久々の復活作品ということで、とっても楽しみにしていた作品でした。
大好きな作者の急逝というショックを初めて感じた作品でもあります。
「Hello! あんくる」の巻末には、みず谷先生と交流のあった漫画家の先生たちのメッセージも掲載されています。