マッドキメラワールド

No.410
カテゴリ:SF/ダークファンタジー
オススメ度9 ★★★★★★★★★☆
著者:岸本聖史
出版社: 講談社
発売日:2017/11/22(1巻)
巻数:1〜2巻以下続刊

「もっと世界を知りたい!!」

ぶっ飛んだ漫画に出会いました!

雌が雄を狩る世界?

狩られる、捕食されるのがわかっていながら。
それでも雄は雌との生殖を目指す?

何だ?
このリアル・カマキリな世界観!?

めちゃくちゃ面白そうじゃないですか!

ということで、早速読んでみました。

それがこの「マッドキメラワールド」です。

あらすじ

この世界を牛耳っているのは雌。
雄は雌から逃げる。
だが、生物としての本能ゆえ、命を懸けて雄は生殖のチャンスをうかがう。
そんなイカれた世界に住む、ニンゲンに近い2人、ミツキとウサギ。
無慈悲な世界で、2人の冒険が始まった。


感 想

最初に一言。

マジ、面白い!

まさに、マッドでキメラ!

この荒涼たる世界の描写。
朽ち果てた前時代の文明の後。
謎と不可思議と怪しさ満ちた遺物。

いいねーー!

オラ、ワクワクすっぞ!

「人間」が滅んだ後の、変わり果てた地球が舞台。
出てくるのは「人間」と何かの「生物」が混ざったキメラばかり。

人間と生物が混ざったキメラが、その生物の持つ特殊能力で戦っていくわけです。

よくある昆虫能力的バトル漫画と思いがちですが、まったくテイストは違います。

バトルはあくまで生き抜くため。
そして捕食するため。

この世界で生きるすべてのキメラの目的は?

生・殖!!

このシンプルさがいい!

そして全てが崩壊し、混ざり、変化した世界だからこそ。

そのシンプルさこそが、リアル。

エロもグロも程よいスパイス。

どんな生物が出てくるかわからない。
危険と驚愕に満ちた世界。

このカオスっぷりが素晴らしい。


マッドな人たち。

ミツキ。
ニンゲンに近い特徴を持つ。
女に見えるけど、、雄。
前時代の残された本を読み漁り、生物の豊富な知識を身につけている。
その出生に何か秘密がある模様。

ウサギ。
弟・ミツキを守ることがすべて。
左腕の義手が刀になる。
圧倒的な戦闘力を誇る。
ミツキの姉ということだが、その正体は果たして…?

ガガ。
ガガンボモドキの特徴を持つ。
雄だが、おっぱいを膨らまし、雌に擬態できる。
旅の途中で知り合い、ミツキたちと行動を共にする。


マッドな世界。

文明が崩壊した後の遥か未来。

砂地が大部分を占めています。

崩壊したビル郡。

メジャーなオブジェが沢山出てきます。

スカイツリーとか。
自由の女神とか。

空のあちこちに浮かぶ、謎の構造体。
地面にめり込んだ船のようなもの。
自由の女神と比べて、相当に大きいヒト型のミイラ。

この機械は一体何なのか?
この世界は一体どうやって生まれたのか?

まだ、謎は何も明かされません。

ミツキとウサギが旅をしながら、この世界の生まれた理由を探すという構成。


キメラな世界。

生態系はすべて崩壊。
カオスと化しています。

人間と生物が合体したようなキメラが跋扈。

昆虫のように小さなものから。

ビルほど大きなものまで。

生物模型を強引にバツンとくっつけただけのような。
大雑把でグロテスクなデザイン。

そして、必ずある「おっぱい」。

生えている木にさえ「おっぱい」。

この何とも悪趣味で醜悪な世界。

ゾクゾクしますな。

そして、雄はこの世界では限りなく希少。

なぜか?

食べられちゃうからです。

雄は捕食され、そして生殖のみに使われる存在に。

おおう。。。

これではハーレムではなく、地獄。

そんなキメラな世界なんです。


雄にのみ聞こえる声。

ミツキとウサギは旅をしています。

どこに向かっているのか?

雄にのみ聞こえる声。
夢に見る誰かの声。

雄たちはその「声」に導かれるように、ある場所を目指します。

ミツキたちもその声のする方へに向かって旅しています。

なんやかんやあって。

やっと到着した第一のゲート。

そこで待ち受けるものとは?

この世界の生まれた謎が少しづつ明かされていきます。

続きは、ぜひ本編でお確かめ下さい。


さて、評価は?

著者の岸本先生。

あれ?このお名前…?

「NARUTO」の岸本先生と一文字違い。

オイオイオイ!
紛らわしいやんけ!

しかも、代表作が…。

「666 SATAN」全19巻

なんだか、絵柄も似てないか?

真似しすぎじゃね?

と、思ったあなた。

そうなんです。
似てて当然。

岸本斉史(兄)。
岸本聖史(弟)。

双・子!

ネタか!と思うようなこのお二人。

なんと「NARUTO」の岸本斉史先生は双子の兄。

マジかーー!

最初に知った時は驚きました。

日本を代表する漫画作品の一つ「NARUTO」。

その著者の弟ということで。

同じ漫画家として、相当に比べられたり、忸怩たる思いもしてきたはず。

当初こそ絵柄、作風も似ていたと思いますが、今やまったく違います。

正直、どストレートな少年漫画な岸本斉史先生の作品より。

僕は最近の聖史先生の作品の方が断然好きです。

今作は本当に面白い。
この混沌とした世界観の描写は素晴らしい。

これは期待大!の【星9つ】でオススメします。

1巻から読む
(2017〜)


【その他の 岸本聖史 作品】

助太刀09 全5巻
(2015〜2016)

紅の狼と足枷の羊 全4巻
(2012〜2013)

ブレイザードライブ 全9巻
(2008〜2011)

666~サタン~ 全19巻
(2001〜2008)

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