No.253
カテゴリ:SF
オススメ度4 ★★★★☆☆☆☆☆☆
著者:衣谷遊 他8名
出版社: 講談社
発売日:2017/3/28
巻数:1巻完結
「例外な要因が組織には必要だ」
まもなくハリウッド版の実写映画が公開になります。
海外でも有名な日本のSF漫画と言えばコレ。
そう!「攻殻機動隊 ゴースト・イン・ザ・シェル」です。
その映画化に合わせて、講談社の作家陣によるトリビュートが刊行されました。
これはチェックしておかねば。
ということで。
早速読んでみました!
概 要
「攻殻機動隊 ゴースト・イン・ザ・シェル」
士郎正宗原作。3巻完結。
「攻殻機動隊」の世界を9人の作家が描きます。
収録作品は以下の9編。
1. A Day In The Life/衣谷遊
2. 攻殻機動隊 INFLUENTIAL PERSON in SHADOW〜暗闇で操る者〜/Boichi
3. 閉鎖都市 Closed City/井上智徳
4. Meeting Again/山本マサユキ
5. ニート少佐/今井ユウ
6. クラシック/小池ノクト
7. 快情動の檻/多田乃伸明
8. Hopeful Monster/大山タクミ
9. トニーたけざきの攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL/トニーたけざき
まず。
この表紙!
この草薙素子、かっこええ!!
「監獄学園」の平本アキラ先生のイラストです。
おお、いいねぇ。
中身も期待できるかな?
表紙に平本先生のクレジットが載っています。
当然作品が載っているだろうと思って手に取ってしまったら…。
なんとこの表紙だけです!
これ、絶対に意図的だと思う。
ホラ、この並び。⬆︎
これ、カバーイラストのみって書いておかないと!
勘違いする人続出ではないかと。
Amazonの商品説明欄には平本アキラ(ポスター)ってあります。
なんじゃ、それ。
これでは表紙詐欺ではないの?
で、肝心のトリビュートの中身ですが…。
面白いものも、イマイチなものもあり。
これぞトリビュート。
あらすじ&1カット
スピンオフあり、前日譚あり、パロディありと。
なんでもござれの本作品。
中でもお気に入りは下記の3作品。
3. 閉鎖都市 Closed City/井上智徳
ある閉鎖された都市で起こった殺人事件を追う公安9課のエピソード。
現場を目撃した少女を草薙は保護するが…。
電脳化した人間と、限りなく人間に近づけたAI(人工知能)。
人間と機械を分けるものは何か?
「攻殻機動隊」のテーマであるゴーストの定義を描きます。
6. クラシック/小池ノクト
バトーが持っていた真空管のソケット。
それを何に使うのか?
単独行動を心配した草薙が後をつけてみると…。
本作で一番好きなエピソード。
漫画より押井監督の映画版の空気感に近いと感じました。
8. Hopeful Monster/大山タクミ
公安9課へ入る前のトグサのエピソード。
スピンオフ的な作品。
「攻殻機動隊ARISE ~眠らない眼の男Sleepless Eye~」(全5巻)で作画を担当した大山先生。
描き慣れているせいか。キャラの安定感は抜群。
トグサは原作版と比べると断然イケメン。
というか「トグサ」というキャラは漫画版と映画版、アニメ版でどんどんとキャラが変わっていきますね。
さて、評価は?
9人もの作家が参加してのこの作品。
正直、期待していただけに残念。
「攻殻機動隊」をテーマに作家それぞれが自由に描いてしまった感があり、統一感がありません。
このごった煮感を楽しむのもいいのですが…。
やはりファンアイテムと言わざるをえない出来でした。
本編が骨太なSF作品なだけに。。
各作品の薄さが気になってしまいました。
しかしこのページ数では仕方ないのかな、と思うところも。
これなら作家陣を絞って、その分ページ数を増やして、もっとどっしりとした短編を描いてもらいたかったなぁ。
それほど原作が偉大というか複雑というか…。
あの空気感を出すのだけでも難しいですよね。
ということで。
ちょっと残念な【星4つ】。
それにしても。
この表紙の使い方だけには納得いかん。。
原作を読む
(1991)
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