No.174
カテゴリ:SF/1巻完結
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆著者:太田垣康男
出版社: 双葉社
発売日:2004/5/28
巻数:1巻完結
「俺に力を貸せ!!」
「MOON LIGHT MILE」「サンダーボルト」で有名な太田垣康男先生の傑作SF短編。
SF漫画の旗手とも言える著者のこれぞ隠れた名作!
それがこの「東方機神傳承譚ボロブドゥール」です。
あらすじ
宗教が全てを支配する仏国土。
貧困と殺戮が日常の世界で、統治という名のもとに民衆を弾圧している僧侶たち。
青年アロンは機神ボロブドゥールに乗り込み、弾圧された人々の解放のために立ち上がる。
機神かっけェエエエ!!
もうまず、そこでしょ。
ロボットでもない。
サイボーグでもない。
巨人?が近いか。
でも操縦はできる。
アジアンテイストに包まれた機神のデザイン。
めちゃくちゃ格好良いんです。
復活前のボロブドゥール!
限りなくロボット的なのですがその「命」たる部分を構成するのは、何と溶かした罪人!
その溶かされた罪人のドロドロが骨格のみの機神に流し込まれ、機神の血肉となり動き出す…。
ひええええ!
えぐい!!
機械でも生物でもない。
操縦者は機神とシンクロして動かします。
電源ケーブル必須です。
ということで!
イメージはエヴァンゲリオンに近いかも。
あの機械とも生物とも言えない雰囲気が似ています。
溶かした罪人が、どういう組成で機神の血肉となるのか?
科学的な何か…かな?
うん!
細けぇことはいいんだよ!!(笑)
勧善懲悪。
太田垣先生の描く世界観って、いつも「どれが悪で」「どれが正義で」を明確にしないのが多いです。
敵にも味方にもそれぞれ大義がある。
そしてどちらにも非がある。
みたいな。
でも本作は珍しく分かりやすい勧善懲悪。
正義の心を持った主人公が「大きな力」を手に入れ悪に立ち向かう!
と、昔のアニメや映画でよくあった王道パターン。
そして宗教的独善・盲信・狂信が引き起こす暴走の悲劇。
余韻を楽しむ。
まぁ、面白い!
1巻完結で全く無駄なし!
世界観はバッチリ。
浅くない。
余分なものは省き、かつドラマ性は持たせ、必要最低限で濃いいストーリーを展開しています。
そして最後は、この後も戦いが続いてくんだろうなぁ・・・と。
余韻を残す結末。
明らかに序章。
ここから10巻はいけるはず!
めっちゃ続きが読みてぇ!
てなりました。
君の名は。
ちなみに本作では6体の機神の名前が出てきます。
「ボロブドゥール」
「キドゥリン」
「ガジャ」
「バンジャル・テガ」
「ウブド」
「メングウイ」
これでピン!ときた人!
ジャワの人ですね!
全部インドネシア、ジャワ島、バリ島の寺院の遺跡の名前なんです。
調べちゃいましたよw
東洋的なアプローチのこうしたロボット系漫画はなかった!
これは隠れた名作です!
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