No.68
カテゴリ:ダークファンタジー
オススメ度2 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆著者:原作:奥浩哉 作画:イイヅカケイタ
出版社: 集英社
発売日:2016/9/16(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「あーたーらしーい あーさがきたー」
あの「GANTZ」のスピンオフ。
導入部はまったく同じ。
死にかけた男女が、強制的にGANTZから「〜星人」倒しのデスゲームを強いられるという流れです。
あらすじ
──時は2005年。修学旅行先へ向かうバスを襲った、突然の悲劇。
廃屋の小学校に佇む、黒い球体。
“ガンツ”と呼ばれる存在から突きつけられる、摩訶不思議なミッション
5人の少女たちは、或る決意と共に、黒いスーツを身に纏う──。
世界観はGANTZそのもの。
キャラデザイン、背景まですべて同じように意識して描いてます。
ここまで似せているのはすごい。
でも、似すぎている分、オリジナルと比べてしまう…。
やはり奥先生のGANTZからすると見劣りしてしまうのは仕方ないかも。
なぜ、今、GANTZ?
さて、このスピンオフ。
GANTZファンを狙ったのかな?
あの当時、誰も描いてなかったからこそ衝撃がありました。
これほどデスゲーム系が乱立した今、目新しさや衝撃はありません。
本当に。何故このタイミング?
僕的にはあの完結した物語をなぜ今更?感があります。
今なら「いぬやしき」のスピンオフの方がまだ読みたい。
GANTZでは広げた風呂敷をたたむのに苦労しましたし「あれどうなった?」といった未回収の伏線(*吸血鬼のくだり)もあります。
そのサルベージのために作ったのでしょうか?
ただ、この一巻を読む限りでは、そんな予感はまったくなさそう…。
そこに矜持はあるか?
最近、作品がバカ売れしだすと、すぐにスピンオフが始まります。
おそらく若手の作家さんや元アシスタントさんにオファーが行くのだと思います。
クリエーターとしての矜持はどうなった!?
ここまで他作家の絵柄、世界観、匂いまでを踏襲するのは並大抵の努力ではないのは想像できます。
描きたいものを描けない、その辛さもあるでしょう。
作家だけに責任があるとは思いません。
この企画を作り、通し、連載しようとした意志決定があるはず。
新しいものを!
ファンには嬉しいスピンオフ。
完全にパロディだったり、キャラだけ使ったコメディだったり。
そういうのは楽しいと思うんです。
でも。
今作のような「続編もどき」になるのは…。
僕はこの流れに疑問を感じます。
著者本人が描くならまだしも、何年もしてから、著者の作風に似せた誰かが新しく描く。
これがまかり通ると、そのうち名作の続編もどきがあふれてしまいそう。
一漫画好きとしては懸念しております。
それが面白くなくてもいい。
やっぱり新しいものを読みたいんだ!!
さて、評価は?
長々と熱くすみません。
このサイトは基本オススメ漫画を載せています。
今回はちょっと例外。
ただ奥先生が原作なので、このままでは終わらない…はず。
この一見して平凡なスピンオフにも何か仕掛けがあるはず。
そう信じて待ちたい。
今は、あえて【星2つ】とさせて頂きます。
2巻を読んでみた。
【10/20追記】
面白くなってる。まんまガンツなんですけど。
星2をつけておきながらハマりつつある。
やっぱガンツ好きだなぁ。もうちょい追っかけてみよう…。
3巻を読んでみた。
なんと、完結です。
女版ガンツとして始まった本作。
今さら意味のないスピンオフなどするはずがない。
きっと何か仕掛けがあるはず。
本編とどこかでつながるのか?
などと半分期待していましたが。
何もなかったYO。
やっぱり。
「単にやってみた」だけの企画でした。
最初にも書きました。
「完結した作品」を無理やり引っ張り出して続編を作るのはやめていただきたい。
著者本人が描くならまだしも。
最初は「原作:奥浩哉」となっていました。
3巻では「原案」に変わっています。
結局、最初から奥先生は噛んでなかったんじゃ?
もう。
これをやってしまうと、今後「名作もどき」の大量生産が可能になります…。
ぜひ編集部には、この後に続け!などと浅い企画を連発しないでもらいたい。
本作はGANTZの新エピソードとしては、十分に楽しめるものでした。
原作にここまで似せた描いた著者の苦労も計り知れません。
ですが!
やはりこの制作スタイルには疑問があります。
オススメはしにくい。
なので【星2つ】で決定とさせて頂きます。