金の国 水の国

kinkuni_mizukuni

No.202
カテゴリ:ファンタジー
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆

著者:岩本ナオ
出版社: 小学館
発売日:2016/7/8
巻数:1巻完結

「一緒に落ちよう」

kinkuni_mizukuni_1

「このマンガがすごい!2017」オンナ編 堂々の第1位!!

ということで。
今、話題の「金の国 水の国」読んでみました。

あらすじ

昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。
ついに戦争になってしまい、慌てて仲裁に入った神様は言います。

A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり
B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい―――

そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!?


感 想

「まんが世界昔ばなし」風に始まるオープニング。
作画もほっこり系。

童話的に道徳観を説くストーリーか?

国と国の争いに翻弄される男女の、波乱万丈の恋物語か?

と思いきや。

そうじゃないよ!

おっとりぽっちゃりした姫様と、頭のキレる好青年との誤解から始まるほんわかラブストーリー。


世界観のビジュアルがいい。

金の国。
どこかの砂漠の国のような。
アラビアンナイトのよう。
kinkuni_4

対して水の国は、それほどわかりやすいお手本となる国はありません。

強いて挙げるなら中央アジア。
もしくはオアシス周辺の町?といった感じでしょうか。


物語の主人公の二人は?

綺麗すぎず、カッコよすぎず。

これがよかったのではないかと。

二人ともなんとも愛着の湧いてしまうキャラクター。
特に姫のほっこりオーラは異常!!

サーラ。
金の国の93番目の王女。
一番美しい?ではなく、国王が適当に決めた末席の姫。

kinkuni_2

ナランバヤル。
水の国の学者の倅。
こちらも族長が適当に結婚相手に決めてしまう。
kinkuni_3

偶然出会った二人ですが、それぞれ惹かれあっていく……という感じ。

金の国には金がある。
でも100年後には水が枯れてしまう。
水の国は水資源が豊富。
でも今、戦争すればあっという間に負けてしまう。
2国に国交を開いて水路建設をすれば問題解決!

と考えたナランバヤルが水路建設に情熱を燃やすが…という具合に展開していきます。


で、面白いのか?

ほんわか空気を出しつつ、シリアスなとこもあるのかな?
と期待していましたが…。

思いっきり肩透かし。

偶然の出会い。
ナランバヤルと姫の大活躍。
そして大団円と。

幾ら何でも…。

ご都合主義的な展開が多すぎ。
建築も何も学んでない若者が、国家100年の大事業を任される。

うん?

イケメンの元遊牧民が国家の要職の左大臣になる。

ううん?

そしてその大臣とナランバヤルが一回飲んで意気投合!
You!国家事業やっちゃいなよー!

うーーんっ!??

てめえら、国家運営なめてんのか(笑)
この展開は「ありえんやろー」と思うことひとしきり。


さて、評価は?

1巻完結で描くには中身をはしょりすぎた印象。
内容が軽いし薄っぺらい。

……なんて.
ツッコミ出したらダメなんですよね。

あくまで少女漫画のスタンスで。

細けぇことはいいんだよ!
ほっこりした恋愛を楽しめよ!

ってやつです。

ということで。
僕的には【星6つ】

でも。

「このマンガがすごい!」オンナ編1位…。

ああ゛ん?


「このマンガがすごい!」には異を唱えざるを得ないな。

決してマイノリティを気取ってるわけじゃありません!

でもね。
これが1位なのか!????

他にもっと面白いのあったでしょ!?

「このマンガがすごい!」で一位をとっちゃったことで。
盲目的に上がるAmazonの高評価レビュー。

心にしみる、、とか。
涙が出る、、、とか。
心が震える、、とか。

オイオイオイ。

ほんわかする良作だと思いますよ。

ですが。
大絶賛するような類いの作品ではない。

なんだか漫画の評価まで右向け右の風潮にはうんざりだぞ。
人が高評価を下しているから、きっとこれは「いいもの」だと盲信しちゃう。

もっと疑うべきだ。
もっと他の作品を読んでみるべきだ。

自分自身の揺るぎない「面白いと思える物差し」を持つべきだと思う。


そんなたくさん読んでる暇なんてねぇよ!
だからランキングを頼りに読んでんだよ!

ハイ。
そのご意見ごもっとも。

そもそも「これすごいな~」なんてのは超個人的な感想でしかない。
それを、さも全体の意見のように出版までして発表することに違和感を覚えるんです。

ランキングなんてものは、マンガ好きの個人がそれぞれで選べばいいんです。
あくまで好みでいいんです。

他のレビューがどうであろうと、好きなものは好き。
面白くないものは面白くない。

だから、僕は僕の好みを羅列します。
その好みに共感する方が少しでも読む参考にしてくれれば嬉しい。

だからこそ。
たった一人だけでコツコツ書いていくレビューサイトが必要だと思っています。

誰の意見も聞かない。
誰の顔色も伺わない。
多数決なんてとらない。

純粋に自分のお気に入りだけを淡々と載せていく。

これからもそんなスタンスで続けていきます。


というか。

話が本作からそれてしまいました。
長々とすみませぬ。

重ねて書きますが、決してこの作品を貶めるつもりはない。

ただ。
あまりにも作品内容と評価にズレがあると感じたので、熱くなってしまった…。

全1巻を読む
(2016〜)


【その他の 岩本ナオ 作品】

マロニエ王国の七人の騎士
(2017〜)
記事を読む

スケルトンインザクローゼット
(2015)

雨無村役場産業課兼観光係
(2008〜2010)

町でうわさの天狗の子
(2007〜2014)

Yesterday,Yes a day
(2006)

スポンサーリンク
osuman_336x280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
osuman_336x280