暗黒神話

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No.133
カテゴリ:歴史ファンタジー/1巻完結
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:諸星大二朗
出版社: 集英社
発売日:1977/2/
巻数:1巻完結

「おまえはアートマンとなる」

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熱狂的なファンが多い諸星大二朗先生。
超次元的、超自然的な神秘をテーマに描いた名作が多数。

その代表的な一作が日本の古代史をテーマに描いたこの「暗黒神話」でしょう。

あらすじ

中学生の少年・武(たけし)。
彼の肩に残る蛇形の傷。
それは全宇宙を動かす権利と力を受ける者“選ばれた者”の聖痕だった。
謎の老人・竹内に導かれ、出雲をめざす武を待ち受けていた運命とは…!


感 想

発表は1976年。つまりは40年前。

どひゃーーー!!大昔だ!

その当時、なんと!
この作品が「週刊少年ジャンプ」で連載されていたんですよ。
すごいな、ジャンプ!!

掲載はたった6週分。
本作は200ページにも及ぶ長編ですが、その中の100ページ以上が後ほど加筆・修正されています。

諸星先生のこの作品にかける熱意が伝わります。


日本の古代史がテーマ。

ストーリーはヤマトタケル伝説を中心に、日本古代史、神話、仏教、土着信仰まで取り込み展開する壮大な伝記ロマンです。

神話、神秘、歴史等が好きな人には”どストライク”ではないかと。

各所に散りばめられた伏線が最後には見事に収束されて完結します。

ただし。
説明も多いしのでしっかり読まないと置いていかれます(汗)

多少の神話や哲学の知識があったほうがわかりやすいかも。

“アートマン”と”ブラフマン”って。
高校の授業でやったな…(遠い記憶)


”空気”を読む。

とにかくコアなファンが多い諸星先生。
Amazonのレビューでは軒並み高評価。

これは熱狂的であるが故かもしれません。

褒めすぎの気もします。。

後から読む人の期待のハードル上げすぎかと。
現在の洗練された漫画と比べると、作画、構成、コマ割等、やはり躍動感に欠けます。

ただ。
”空気”というのでしょうか?

現在の漫画には出せない圧倒的な雰囲気があります。

なんでしょう?この絵の空気感は!?

決して上手い作画ではない。
でも掴んで離さない魅力がある。

はい、どん!

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この昭和な感じ。

ゾクゾクします!


さて、評価は?

今の漫画に慣れている若い人には、古臭く感じる作品かもしれません。
(そりゃ40年も前だ、当然です)

なので【星6つ】でオススメ。

でも、一度手にとってみてください。

図書館の奥でホコリをかぶっていた未知の本を見つけた時のような。
あの静かなワクワク。

そんな感覚を味わえるはず。

全1巻を読む
(1977)



暗黒神話 [文庫版] (全1巻)


【その他の諸星大二朗作品】

*諸星先生の古い作品は様々なヴァージョンで刊行されています。
収録内容がかぶる場合もありますので、幾つかは省略しています。
新しいVerで刊行された作品は発表年ではなく、その刊行された年で表記しています。

BOX~箱の中に何かいる~ 1巻
(2016〜)

あもくん
(2015)

瓜子姫の夜・シンデレラの朝
(2013)

諸星大二郎特選集 全4巻
(2013)

諸怪志異 全3巻
(2011)

諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集 全2巻
(2010)

西遊妖猿伝 西域篇 1〜6巻
(2009〜)

闇の鶯
(2009)

未来歳時記 バイオの黙示録
(2008)

巨人譚
(2008)

私家版魚類図譜
(2007)

スノウホワイト グリムのような物語
グリムのような物語 トゥルーデおばさん
(2006)

私家版鳥類図譜
(2003)

碁娘伝
(2001)

夢の木の下で
(1998)

天崩れ落つる日
(1997)

栞と紙魚子シリーズ 1〜7巻
(1996〜)

不安の立像
(1993)

海神記 全3巻
(1992〜1994)

僕とフリオと校庭で
(1991)

無面目・太公望伝
(1989)

妖怪ハンターシリーズ
(1988〜)
記事を読む

失楽園
(1988)

西遊妖猿伝 大唐篇 全10巻
(1984〜2000)

砂の巨人
(1984)

子供の王国 諸星大二郎珠玉短編集
(1984)

アダムの肋骨
(1982)

マッドメン
(1981)

地獄の戦士
(1981)

コンプレックスシティ
(1980)

夢見る機械
(1978)

孔子暗黒伝
(1978)

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