No.291
カテゴリ:ファンタジー/グルメ
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆
著者:桑原太矩
出版社: 講談社
発売日:2016/11/7(1巻)
巻数:1〜2巻以下続刊
「うまそう」
ファンタジーグルメ漫画の登場です。
マンガ大賞2017ノミネート作品。
Amazonレビューで散々「ナウシカやん!」と指摘されてますが、その内容はさて?
ということで読んでみました。
それがこの「空挺ドラゴンズ」です。
あらすじ
龍を追って、世界の空を往く捕龍船『クィン・ザザ号』。
大物を捕まえれば一獲千金、獲りたての肉も食べ放題。
空と龍に魅せられた乗組員たちの大冒険の旅&世界グルメ紀行!
ナウシカやない。
ラピュタや!!
「ラピュタ」と「ダンジョン飯」を足して2で割ったような作品。
ジブリっぽい。
確かにAmazonレビューで皆がそう書くのも頷ける。
じゃ、つまらないのか?
と言われると…。
ううん、面白い!
憎らしいくらいに「いいとこ取り」した内容。
ジブリ映画さながらのビジュアル世界。
ダンジョン飯ならぬ「ドラゴン飯」たるグルメ観。
「王道ファンタジー」と「流行りのファンタジー」を見事に調和させています。
そしてその世界観を支える確かな画力。
う〜ん。
確かにこれは、ウケそうだわ。
惜しむらくは。
あと3年出るのが早ければ「ダンジョン飯」どうこう言われずに、ファンタジーグルメ漫画のトップ作品になっていたでしょう。
ドラゴンズな人たち。
クイン・ザザ号。
主人公たちが乗り込む捕龍船。
なんか、、タイガーモス号(ラピュタ)に似てるなぁ。
ミカ。
凄腕の乗組員。
とにかく龍を食べるのが大好き。
タキタ。
新人の乗組員。
ドジだがやる気は人一倍。
ジロー。
真面目で熱血な乗組員。
父親も龍捕りだった。
ヴァニー。
ミカに並ぶ腕の持ち主。
お酒がめっぽう強い。
空の描写の魅力。
やはり見所は何と言っても。
空の描写。
まさにあの憧れたラピュタの世界観そのもの。
船内の食堂のシーンなんか。
なんだか懐かしくって嬉しくなっちやいました。
オートジャイロ。
ああ、飛びたいなぁ。
ナウシカ、ラピュタ世代のおっちゃんはねぇ。。。
こんなのを描かれちゃうと虜になってしまいます。
グルメは普通?
この作品の重要なファクターとなっているのが。
数々のグルメシーン。
ドラゴン。。
現実では食べられないファンタジー食材。
でも要するに「お肉」です。
いわゆるお肉を使った料理が色々出てきます。

最初こそインパクトはあったものの…。
普通のお肉料理の域を出ません。
ダンジョン飯のような数々のモンスターを使っての創作料理と比べると、いたって普通のグルメ。
毎回、食べるシーンも入ってきますが、グルメ漫画特有の誇張した表情はなく。
あくまで生活の一部として食事シーンを描くスタイル。
だけど、それがいい。
あざとすぎるアヘ顔をぶっこんでくるグルメ漫画は個人的に辟易してますので。
あくまで「ワイワイガヤガヤ」食事をしてる。
これくらいが好きですねん。
さて、評価は?
賞賛すべきはこの世界観。
細かいディテールに至るまで徹底しています。
1巻では主要な乗組員たちの紹介を兼ねたエピソード。
このファンタジー世界で生き生きと動くキャラは、ジブリ映画さながら。
2巻では捕龍基地たる港町でのエピソード。
おきまりの酒場での喧嘩シーンやら娼館の少女を絡めたお話。
ドラゴンを狩るシーンは1巻に比べて少なく。
乗組員たちの人間ドラマにスポットを当てています。
で。
この作品は、おそらくどこまでいっても「ジブリっぽい」という評価は付きまとうと思います。
ビジュアル世界がどうしても被ってしまう。
この感想は仕方ないかなと。
でも、それは言ってみれば好意的である証でもあります。
昨今のひねった設定の多い漫画の中で、まさに正統派ファンタジーと呼べる作品。
変にグルメに特化したり。
ほのぼの日常ファンタジーにも成り下がらず。
あくまで、空を駆け、龍を狩る。
そんな作品であり続けて欲しいなと思います。
オッサンの童心をくすぐりまくる。
【星8つ】でオススメです。
今後もおっかけていくぞ!
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