渋谷金魚

No.290
カテゴリ:ホラー
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:蒼伊宏海
出版社: スクウェア・エニックス
発売日:2017/2/22(1巻)
巻数:1巻以下続刊

「何だよ…これ…」

ついにパニックホラーもここまで来たか!?

渋谷が突如人喰い金魚に占領される!?

昔のB級アメリカンホラーも真っ青の荒唐無稽ストーリー。

もう、なんでもアリだな(笑)

それがこの「渋谷金魚」です。

あらすじ

平凡で、冴えない毎日を過ごす少年・月夜田初。
その予定調和な日常は突如として終わりを告げる…。

大都市・渋谷に大量発生した〝人喰い金魚〟!
渋谷に襲い来る未曾有の大パニック!!


感 想

渋谷が大きな金魚鉢のようなガラスの壁に閉じ込められる。
そこに突如発生する人喰い金魚の群れ!

なんでやねーーーん!!

なんて。
もう言ってはいけない感のある昨今の漫画事情。

パニックホラー漫画のアイデアは出尽くしたと思いきや。。
まだまだあるんですねぇ。

ゾンビでもなく。
クリーチャーでもなく。
大型昆虫でもなく。
ハカイジュウでもない(笑)

金魚っ!!

むっはっw

渋谷のスクランブル交差点に群がる大量の人喰い金魚。

なんてことでしょう!

想像以上にシュールでごわす(笑)

でね。
もっとパニックホラーを逆手に取った、ブラックコメディ的なアプローチを予想していたんです。

それがそれが。

ごっつ真面目なパニックホラー。

え??
この設定でガチでくるのか?

金魚とかおかしくない?

でも。
面白いんです。


渋谷な人たち。

月夜田初。
映画作りが趣味の平凡な青年。
その観察眼で金魚の習性を見抜く。

深草さん。
学年一の美人。
金魚があわられた時にたまたま一緒になる。

碓氷アリサ。
アイドルの卵。
とても前向きな少女。

雪野杏子。
警官。独身。
渋谷に閉じ込められた人たちを先導する。


渋谷の金魚は怖い。

とにかくこの金魚がバクバク人を喰う。

「バクン!!」と食いちぎる。

歯もキバもないはずなのに??

大きさ比率を考えるとさすがに。

「???」。

でも、それは置いといて…。

最初はやられっ放しの人間たちですが。

金魚の習性を利用し反撃する場面も。

強い匂いで身を隠す。

火を浴びせる。

というか。

そもそも空に浮いてる。
物理法則無視してる。

そんな存在に「温度差が苦手だろーー」とか。

それは効くんかっ!


さて、評価は?

人喰い金魚の来襲。

設定の荒唐無稽さに鼻白む人もいるかもしれませんが…。
そこさえ気にならなければ、純粋にパニックホラーとして楽しめます。

展開はスピーディー。
ハラハラドキドキもしっかりアリ。

ただし1巻では謎解き等は一切なし。

なぜ、金魚なのか?
なぜ宙に浮いているのか?
なぜ人を喰うのか?
発生源はどこなのか?

そんなん知らん!!

ってな勢いで物語はパニックに終始します。

明確な理由が用意されているのか?
それとも意味なしオチなしの狂騒のパニックホラーで終わるつもりなのか?

はてさて。
著者の力量が試されるところ。

逆に。
こんな無茶苦茶な設定に。
読者を納得させられる明確な理由を描けたらスゲェ。

今からオチが楽しみすぎ。

ということで。
無茶苦茶だけど先が気になる、の【星7つ】です。

今後の展開が全く読めません。
どうやって終わるんだ!?

次巻も追っかけます。

1巻から読む
(2017〜)

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