No.318
カテゴリ:ファンタジー
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:三月薫
出版社: 講談社
発売日:2017/6/16(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「この世界は一人の女に狂っている」
これぞ正統派ファンタジー!?
「百年に一度の運命の恋が、世界に戦乱を呼ぶ…」
なんて紹介文。
表紙もとっても気になります。
ということで読んでみました。
それがこの「百年のワルキューレ」です。
あらすじ
百年に一度、強大な力を持つ「神剣」がただ一人の男に与えられる世界。
「剣乙女」ワルキューレから愛と神剣を手に入れた一人の英雄が、最北の国・ローレシアで革命を成し遂げる。
それから7年後。かつての革命で全てを失ったローレシアの皇子・ニコライは、数奇な運命の巡り合わせで、新たな剣乙女と出会う。
う〜〜〜む。
悩む。
シリアスに始まる冒頭シーン。
国を追われた皇子の復讐譚か?
…と思いましたが、なんだか違う。
テーマはなんだろう?
復讐なのか?
ファンタジーなのか?
もしかして恋愛??
まだ1巻では読み切れず。
はっきりしてるのは。
強大な神の力を宿す少女をめぐっての物語。
要するに。
ワルキューレを惚れさせたら勝ち!
なんじゃないの?
ワルキューレな人たち。
ニコライ・クラウス。
元ローレシアの第一皇子。
7年前の革命で弟を除くすべての家族が殺される。
隣国のハイデルベブルグに亡命し騎士団の一兵士となる。
アーシャ。
次のワルキューレに選ばれた元奴隷。
悪漢に追われていたところ、偵察に来ていたニコライに救われる。
ヴィクトル・ソルダート。
ワルキューレの神剣を手にした元傭兵。
ローレシアで革命を成し遂げ王となる。
ワルキューレとは?
ファンタジーは設定が命。
本作の設定をざっくりご紹介。
100年に一度「ギフト」と呼ばれる超常現象が起きます。
それは天から一人の少女に落ちてくる神の力です。
選ばれた少女はその日から不老の人外の者となってしまいます。
それが剣乙女(ワルキューレ)。
剣乙女(ワルキューレ)と呼ばれるようになった少女は、その絶大な力を自身が選んだたった一人の男に与えることができます。
それは「神剣」と呼ばれる神の力です。
前任のワルキューレ、イリヤに選ばれたのがヴィクトル。
そして手にした神剣「イリヤ」の力で革命を成し遂げます。
全体に軽い。
テンポ良いストーリーながら、なんだか細部が軽い印象。
まず、冒頭のシーン。
7年前のローレシア革命の一幕。
絶大な力を手に入れ、革命を起こしたヴィクトル。
元の皇族を一夜で皆殺しにしてしまうほどの残虐さを見せます。
なのに復讐の芽となるであろう第一皇子であるニコライをわざと見逃したのか?
「目が気に入ったから」とか。。。
軽くない?
一国を支配するほどの神剣の力。
相手国に乗り込んできて。
宴の余興で「ポン」と出す。
軽くない?
その神剣の力、どれほど強大なのか?
お城の上に火の玉を作るくらい。
これ、完全に元気玉やん。
主人公ニコライも亡命の皇子ながら、なぜ騎士団の一兵卒として暮らしているのか。
その経緯が描かれておらず、背景がはっきりわかりません。
そして王となったヴィクトルも戦争狂な一面も見せつつ。
国を治めるには、存在が危うすぎる気もします。
絶大な力を巡っての剣士同士のバトルとしてのお話なら、全然アリかと思うのですが…。
なまじリアルな中世ヨーロッパ風の舞台。
国家運営が神の力という軍事力一つで左右されるのも「?」です。
国家間の争いとして描くには、出て来る人物がみんな若くて小物っぽい。
なんだか説得力に欠ける。
さて、評価は?
作画もはとってもいい。
特に主人公の「眼」が力強くて好きです。
ただね。
著者の趣味なのかどうか。
出て来る兵士、騎士団、キャラクターみんながシュッとしたイケメン。
線が細い。
もっと泥臭いゴリマッチョもいるでしょ?
一癖二癖ありそうな貴族なんかも欲しい。
ストーリーもまだどのように転がるか未知数。
ということで、様子見の【星6つ】です。
次巻の展開に期待したい。
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