エロスの種子

No.317
カテゴリ:エロティック
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆
著者:もんでんあきこ
出版社: 集英社
発売日:2017/4/19
巻数:1巻以下続刊

「人間の身体には種が仕込まれている」

なんともストレートなタイトルと表紙。

やっすいエロ漫画なのか?
しかしAmazonレビューを覗くと高評価の嵐。

ということで読んでみました。

それがこの「エロスの種子」です。

概 要

「エロス」をテーマに描くオムニバス・ストーリー
収録作品は以下の4編。

1. 因果
2. 人形
3. ジゴロ
4. マリーゴールド


感 想

女性作家が描くエロス。

なんでこんなにエロいんでしょう!

いや、官能的と言いましょうか。

美しく、そして妙に生々しい。

女性の肉欲という熱を感じる。
身体の火照りが伝わってくる。

それが男性目線のエロ作品とは一線を画すところでしょうか。

そして、想像以上にドラマティック。

とにかくエピソードの一つ一つがよく出来ています。
単にエロスを描いた安っぽいお話ではありません。

それぞれの女性が必死に生きる姿。
古い時代背景の話が多いせいか、どこか昭和的な香りもしてしまいます。

さらに、出て来る男性陣がこれまた。

ガツガツしていない(笑)

官能小説に出て来る主人公のような。

どこか紳士的で、陰を帯びていて。
色気がある。。

ううむ。こんな男になりたかった。


あらすじ&1カット

1. 因果

教授の元で書生をすることになった蒼井孝太郎。
そこには親子ほども年の離れた教授の妻、珠子がいた。
孝太郎は珠子に一目惚れしてしまうが…。

2. 人形

戦災孤児となり一人生き残った、鞠子。
瓦礫の街で片腕の男、松岡に拾われ屋敷で奉公することに。
しかし、そこにはとんでもない条件が待っていた…。

3. ジゴロ

元プロボクサーの六郎は、場末のスナックの用心棒兼、ママの愛人(ジゴロ)となる。
スナックのママの雅美には、娘の凛がいた。
やがて凛は六郎に好意を寄せるようになるが…。

4. マリーゴールド

時は昭和40年代。
ストリップ劇場のロマン座の支配人の林は、行き場をなくした一人の少女を踊り子として雇う。
やがて彼女は売れっ子の踊り子として活躍するようになるが…。


さて、評価は?

エロスを描いた作品も多い、もんでん先生。
多作な著者ではありますが、実は作品を読むのは「雪人」以来2作目。

もう、さすがと言いますか。

作画もストーリーも完成度が高し。

文句なしに面白い。

というか上手い!

あっという間に読み終わりました。

各話、1話完結の短さながら。

エロスありきの男女の物語。
綺麗事ではない分だけ、ギュッと濃いい愛憎劇が詰まっています。

これは面白い、の【星8つ】でオススメです。

このシリーズ、まだ続く様子。
2巻も期待したい。

1巻から読む
(2017〜)


【その他のもんでんあきこ作品】

ナギと嵐 全3巻
(2014〜2015)

雪人 YUKITO 全5巻
原作:大沢在昌
(2012〜2013)

銭ドク
(2011)

アリエナイ月曜日
(2011)

アイスエイジII 全3巻
(2009〜2010)

愛がなければ
(2009)

女衒夜話
(2009)

その男、タカ 加藤鷹ゴッドフィンガー伝説 全3巻
原作:加藤鷹
(2006〜2007)

…のような気がする。
(2005)

ワーキンガールH。全2巻
(2004)

アイスエイジ 全10巻
(2004〜2008)

秘密×秘密 全2巻
(2003〜2005)

竜の結晶 全10巻
(2001〜2002)