No.417
カテゴリ:SF/ファンタジー
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆
著者:石黒正数
出版社: 講談社
発売日:2018/7/23(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「外の外に行きたいですか?」
待ってました!!
『それでも町は廻っている』の石黒正数先生の新作です。
荒廃した未来を舞台に描く、SFミステリー。
それがこの「天国大魔境」です。
あらすじ
美しい壁に囲まれた世界で暮らす子供たち。
少年・トキオはある日、「外の外に行きたいですか?」というメッセージを受け取る。
一方、外では、マルとおねえちゃんがサバイバル生活をしながら、天国を求めて、魔境となった世界を旅していた…。
ディストピアだ!
いえい!
いいですねー。
もうこれだけでワクワクしてきます。
今作は、謎が謎を呼ぶ、ミステリー。
骨太なSF作品となっております。
『それ町』に代表されるような軽妙なコメディタッチはほんのり残しつつも。
あくまでそれはエッセンス。
醍醐味は、異なる二つの視点で交互に物語が進んで行くところ。
一つは壁の中。
大きな壁に囲まれた世界で暮らす少年たちの視点。
もう一つは壁の外。
荒廃した世界で「天国」を求めて旅する姉弟の視点。
この異なる二つの視点、二つの世界がどのようにリンクするのか。
単なる「壁の中」と「壁の外」なのか?
それとも他に仕掛けがあるのか?
石黒先生のことです。
きっと単純な仕掛けじゃないような気が。
はてさて「天国」とは何のことなのか?
おいおい。
これは先が楽しみすぎるぞ!
天国な人たち。
トキオ。
「壁の中」で暮らす少年。
ある日「外の外に行きたいですか?」というメッセージを受け取る。
マル。
何か秘密を握っている少年。
「天国」を目指している。
トキオと顔がそっくりだが、はてさて?
おねーちゃん。
マルはお姉ちゃんと呼んでいるが本当の姉ではない。
マルのボディーガード。
謎だらけのディストピア
今作の仕掛けとしてあるのが、二つの視点。
壁の中と壁の外。
野菜が育ち、クリーンな環境が保たれています。
天井は覆われて、まるでシェルターの様相。
トキオたち、何人も少年少女が暮らしています。
少年たちはこの施設以外の場所を知らないようです。
壁の中で生まれたのか?それとも?
すべてはまだ、謎の中。
荒廃した世界。
電力供給がストップしたため、電池が貴重品。
人々はそれぞれのコミュニティを作り生活しています。
東京の地形もすっかり変わっています。
ヒャッハー!な人たちもいますが、それほどバイオレンスでもなく。
弱っちくてw
町のおっさんが、仕方なくやってるくらいのレベル。
この微妙なゆるさがいい。
そして。
謎の生物”人食い”。
外の世界にいます。人を食べます。
マルはこの”人食い”を殺せる特別な存在のよう。
触れると、”人食い”の体に入り込み「核」のようなものを潰せます。
そもそも。
この”人食い”が何なのか?
果たしてこれが生物なのか?
それさえもわかりません。
作中で、突然出てきて、突然倒されます。
「そういうものがいる」という形で、どんどん物語は進みます。
う~~ん。
端から端まで謎だらけ。
さて、評価は?
物語の全貌は全くわかりません。
まだまだ序章。
ただただ謎が現れ、伏線が続き。
高まっていくワクワク感!
どうしてくれるんだ!!
ただ、これだけは言えそう。
これ、絶対面白いやろ。
ということで。
まずは1巻、期待大の【星8つ】でオススメ。
完結まで追っかけます。
【その他の 石黒正数 作品】
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