御手洗家、炎上する

No.377
カテゴリ:ドラマ・サスペンス
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆
著者:藤沢もやし
出版社: 講談社
発売日:2017/12/13(1巻)
巻数:1巻以下続刊

「私がすべて取り返す」

そのタイトルと表紙が気になって。

手にとってみた作品。

ある一家の火事から始まる本格ホームサスペンス!

それがこの「御手洗家、炎上する」です。

あらすじ

代々病院を経営する御手洗家。
13年前、その家が全焼するという不幸な事件があった。
原因は火の不始末とされ、母は燃えさかる家の前で土下座して謝罪した。
責任を取り母は娘たちを引き取り離婚。
だが、その火事には隠された真相があった…。


感 想
久々に表紙買いがヒット!!

予想以上に面白い!

ある裕福な家庭をめぐる復讐劇。

父、母、財産。
一人の女性にすべてを奪われた娘。

すべてを奪った女は父の後妻となり人生を謳歌していた。

そして娘は、家政婦として御手洗家に舞い戻る。
復讐の炎を心に宿して…。

って!
ちょっとこれもう!

ザ・復讐劇。

もう、この設定が素晴らしい。

サスペンス的に美味しすぎる。

絶対に面白くなっていきそうです。


御手洗家な人たち。

村田 杏子(あんず)。
元、御手洗家の長女。
復讐を誓い、御手洗家に家事代行として潜入する。

村田 柚子(ゆず)。
元、御手洗家の次女。
復讐に燃える姉を心配している。

御手洗 真希子(まきこ)。
御手洗家の後妻。
元はシングルマザーで、母の友人であった。

母。
長期の過度のストレスから記憶喪失に。
現在、入院中。


始まりは13年前。

病気がちで人付き合いが苦手な母。
そんな母に初めてできたママ友。

それが杏子と同じクラスの息子がいる、シングルマザーの真希子。

同じ年の子供がいる、ということで。
二人は急速に仲良くなっていきます。

やがて真希子は母の服や靴をねだるようになり、それを身につけていきます。

貧相だった真希子が、だんだんと母の姿に似ていく…と。

これ、怖えぇ。

やがて家族ぐるみの付き合いに。

真希子は息子二人を連れ、頻繁に御手洗家を訪れるようになります。

そして起こる、悲劇。
御手洗家の大火事。
炎上する家の前で土下座をする母。

その時。

大勢の野次馬の中に、杏子だけが見つけます。

真希子の、この顔。
これな。

お前、やったな?

って思っちゃうよね。

火事の原因は何なのか?
過失ではなく放火なのか?

本当に犯人は真希子なのか?

まだまだ真相は闇の中です。


そして現在。

離婚し、家を出た母娘と入れ替わるように。

父が再婚したのは二人の息子を連れた真希子。

今は、セレブの主婦モデルとして活躍し、誰もが羨むような人生を謳歌しています。

母の全てを奪った憎っくき相手。

娘の杏子は、母の潔白と真希子の悪行を暴くために、御手洗家に潜入します。

もう、この導入部分!

これから何が始まるのか、ワクワクですな。


さて、評価は?

重要な登場人物が少しずつ現れてきます。

かつてのクラスメートだった真希子の息子。
そしてその兄。

二階には上がってはいけないというルール。

日中は誰もいないはずなのに、感じる気配。

謎がゆっくりと深まって行きます。

このサスペンス的な展開。
面白い!

最重要人物たる、御手洗家の主人で真希子の現夫であり、杏子の実の父。

その父がまだ登場してきません。

どういった人物像なのか?

リアルに考えると。
この父はおかしいです。

いくら火事を起こしたといえ、その妻と娘二人を家から追い出すか?
さらに元妻の友を後妻として迎えるか?
しかも二人の息子付きだぞ?
そして娘たちの養育費諸々は一切出さないのか?

う~~ん、、、理不尽すぎる。

この父の人物像がどう描かれるのかが、見所。
安っちい小者にならないことを願うばかり。

とにかく1巻は、これから面白くなりそうな匂いがプンプン。

これは期待できそうです。

失速することなく結末まで突っ走って欲しい。

そんな願いを込め【星8つ】でオススメです。

1巻から読む
(2017〜)


【その他の 藤沢もやし 作品】

17歳の塔 分冊版10巻
(2016)

スポンサーリンク
osuman_336x280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
osuman_336x280