No.298
カテゴリ:SF/バトル・ファンタジー
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆
著者:遠藤浩輝
出版社: 講談社
発売日:2016/11/30(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「この ド 変態が!!」
前作「オールラウンダー廻」で本格・格闘漫画を描いた遠藤浩輝先生。
その新作はSFファンタジー!
前作でファンになった方は「え!SF?」と思うかもしれません。
ですが、デビュー作「EDEN」は11年に渡る長期連載のSF作品でした。
またこのジャンルに帰ってきた、と言えるでしょう。
それがこの「ソフトメタルバンパイア」です。
あらすじ
吸血族に支配された世界。
人間の少女ミイカは16歳になった日、少年・アランと出会う。
元素を操る吸血族と、それを滅する唯一の力を秘めた少女をめぐる物語。
「ネオ・セカイ系ダークファンタジー」ここに開幕!
なんて銘打ったこの作品。
正直。
表紙が、ダサい(苦笑)
陳腐なバトルファンタジーっぽい。
で・す・が!
なんとなんと。
本編中身は断然かっこいい。
待ってました!
これぞSFファンタジーです。
面白いぞ。
だが、しかし!
あの「EDEN」で描いたような。
骨太でハードボイルドな難解SF路線を期待したのですが…。
なんだか、ちょっと違う。
元素を操る能力者たちのバトル。
元素記号や化合物がバンバンと出てくるところはまさにサイエンス・フィクション。
しかし、それが吸血鬼。
ううん?
流行りの売れ線を詰め込みつつ。
それと争うもう一つの吸血族。
その両方に対抗する力を持つ唯一の力を秘めたヒロイン。
なんて。
コッテコテの設定。
オイオイオイ。
ベタ、かつ、マニアック。
SF、バトル、ファンタジー、コメディ。
バトル漫画の色んな美味しいところのごった煮です。
ソフトメタルな人たち。
斎 美井香(いつきみいか)。
銀を操る力を秘めた少女。
その貴重さゆえ、吸血族同士の争いに巻き込まれる。
アラン。
炭素族使い。イケメンなのにスケベ。
メイリン・ラウ。
窒素族使い。なぜか関西弁。
ソフトメタルな世界。
物語は吸血族に支配された世界です。
人間から血の徴収を行っています。
10日に一回…。
ただ、それも無茶な量ではなく。
人間は普通に暮らせている様子。
そして、この【吸血族】という存在。
頭を吹き飛ばされても。
粉々になっても。
死にません。
必ず復活すると。
元素を操る。
この作品をマニアック、かつ面白くしている見所。
それが吸血族の能力。
「元素を操る」こと。
それぞれの個体で操れる元素が違います。
戦い方は異能バトルのそれ。
それぞれの特殊性を生かした攻防です。
バンバン元素の記号や、混ぜて作る化合物の名称が飛び交います。
タングステンの槍を打つ!
炭素と混ぜれば…?
いや、知らんがな(笑)
さて、評価は?
世界を支配する側の吸血族。
そしてそれを良しとしない。
人間と吸血族の混血。
そしてその両方を滅する「銀」を操ることのできる唯一の存在の主人公。
1巻は、この主人公をめぐる攻防が描かれています。
まだ物語は序章。
吸血族と元素使い、という大きな世界観の説明が終わったばかり。
これからストーリーはどんどんと加速していきそうです。
吸血族という設定には、うん?と思うところもありますが。
「死なない」ということで、バトルの激しさが増しそうです。
設定はテンコ盛りですが…。
スピーディーな展開でめっちゃ面白い。
とにかく1巻は「あっ!」という間に終わりました。
もちろん、オススメの【星8つ】。
次巻も追っかけます!
2巻を読んでみた。
【6/23追記】
楽しみにしていた2巻!
油断してました!
「死なない」設定のヴァンパイア。
だから安心して登場人物たちに感情移入し始めた矢先ですよ。
え!?
物語の主要メンバーと思えたキャラたちが。
無慈悲に消えていきます。
「EDEN」の時と同じだ!
むぅぅ。
これ以上は語りませぬ。
本編でご確認ください。
ハード感が増し、さらに面白くなってきましたよ。
【その他の遠藤浩輝作品】
EDEN 全18巻
(1998〜2008)
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