No.299
カテゴリ:ファンタジー
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:市川春子
出版社: 講談社
発売日:2013/7/23(1巻)
巻数:1〜7巻以下続刊
「この星にはかつて にんげんという動物がいたという」
祝!アニメ化決定!
ということで。
もうご存知の方も多いかと思います。
2017年、秋にアニメ化となります。
100万部突破の人気作。
それがこの「宝石の国」です。
あらすじ
今から遠い未来。
宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人と戦う日々。
何も役割を与えられていなかった一番の役たたずのフォス。
ある日、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。
この作品は人を選びます。
とっても絵にクセがある。
ストーリーもわかりにくい。
Amazonレビューでも評価は真っ二つ。
「なんか不思議で素敵!」となるか。
「読みにくい!」となるか。
さぁ、皆さんはどちらでしょう?
僕は市川先生のデビュー作「虫と歌」から読んでます。
で、その時から。
うわ、読みにくい!(苦笑)
ただ、それを補う不思議な魅力。
独特のセリフ回し。
ともすれば退屈に感じる描写もある。
でも、ある時ストンと心に落ちる描写もある。
そんな捕らえどころない、ふわふわとした浮遊感ある作品を生み出し続ける著者。
その初の長編作品にて、代表作となりそうな本作。
個人的にはこの独特の世界観は好きです。
ただ手放しではオススメできない。
う〜ん。
これは困った。
宝石な人たち。
フォスフォフィライト。
宝石の国の最年少300歳。
何をやらせてもダメ。口と度胸は一人前。
シンシャ。
体から毒液が出るため他の宝石から敬遠されている。
月人にさらわれる事を望む。
ボルツ。
先生の次に強い、戦闘狂。
金剛先生。
宝石達を束ねる最強最恐先生。
月人。
宝石たちを捕らえて月に持ち帰るのが目的。
宝石の国とは?
「今から遠い未来」とされています。
陸地は一つしかなくなり、ほとんどが海と化しています。
「にんげん」が滅んだ後の世界。
宝石たちとは、その人間の名残を残した無機物の結晶体。
現在28体。
結晶体の為、ほぼ不死。
壊れても砕けても、くっつければ治ります。
その宝石たちを装飾品とする為、無数に押し寄せる月人という存在。
静かな生理的嫌悪を引き起こすそのビジュアル。
菩薩の姿をしていますが、決して神々しいものではありません。
この月人と宝石たちの攻防が何百年と続いています。
この月人の正体も実は…!?
なんとも難解な世界観。
情報が不足したまま、どんどん物語は進みます。
ぼっとしてると置いてかれます。
アニメ化に期待。
今までも何度か書いています。
僕は超がつくほどの原作派。
よほど好きな作品でない限り、映画もアニメも見ません。
でも。
この作品ほど「アニメ化した方が良いな」と思った作品はないです。
宝石たちの活躍を描いた本作。
これは著者の作画スタイルのせいだと思うのですが。
キャラの顔が一緒。
髪型で判断するしかないのですが、それでもわかりにくいシーンが多々あります。
この作品。
編集部も、よほど力を入れたのだと思います。
なんと1巻発売時にフルカラーアニメーションPVが作成されました。
これがめっちゃ良い。
あれほど見分けが付きにくかったキャラ達が!
色が鮮やかになり、一目瞭然(笑)
このPVを見て、購入を決めた人も少なくないはず。
で、漫画の方を読んで、
ポッカーーン…。
になるという図。
ほんと。
このPVのクオリティなら、絶対アニメの方がウケると思います。
さて、評価は?
アニメ化も決まり。
いよいよ勢いに乗ってきた感があります。
最新7巻が5月に出たばかり。
正直ここまで、まだるっこしい展開もありました。
先に進まねぇな!おい!
みたいな。
でもこの7巻に来て、やっと加速。
物語も大きく動き出しました。
というか主人公のフォスも大きく変わりましたね(笑)
ということで。
7巻までで【星6つ】でオススメです。
アニメが始まる秋には、また話題になりそう。
好き嫌いのハッキリ出るこの作品。
まだ未読の方がいらっしゃれば。
まずは1巻の試し読みをオススメします。
読んで「イケそう」なら、ぜひ一気読みで!
ティザーPVが公開に。
【6/25追記】
アニメの公式サイトでティザーPVが公開になりました。
販促プロモーションPVも良かったですが、こちらも期待が高まる出来。
やはりこの作品はカラーになってこそ映えますね!
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