No.78
カテゴリ:SF
オススメ度10 ★★★★★★★★★★
著者:幸村誠
出版社: 講談社
発売日:2001/1/23(1巻)
巻数:4巻完結
「何もかもみんな 愛してる」
本屋ではじめて見かけた時。
表紙があまりに美しくて思わず買ってしまったのがこの「プラネテス」。
あらすじ
宇宙ゴミの「デブリ」を回収する船に乗る、ハチマキこと星野八郎太。
彼を中心としたクルー達のSFヒューマンストーリー。
とにかく面白い!!
宇宙をテーマに、人間愛というものが様々な形で描かれていきます。
深く深く心に問うてくるような、哲学的な側面もあります。
とはいえ、お固いストーリーではないですよ。
展開はスピーディーで、ハラハラもあれば、ワクワクもあり。
ウルッと来てしまうところもあれば、コメディもあり。
色んな感情を刺激する作品です。
小ネタもあり。
*「さよならジュピター」って映画知ってますか?(笑)
プラネテスなクルー
星野八郎太(ハチマキ)。
デブリ回収作業員。
いつか自分の船で宇宙を旅することを夢見る青年。
タナベ。
新米クルー。ドジだがまっすぐな女性。
最初はハチマキと衝突する。
フィー。
デブリ回収船「TOY BOX」の船長。
肝っ玉姉さん。一児の母。
ユーリ。
デブリ回収作業員。
奥さんをデブリ衝突事故で亡くす。
近未来SF漫画の先駆け。
それまでもSFで宇宙空間を描いた漫画、アニメはたくさんありました。
そのほとんどが、ロボット、サイボーグ、エイリアン、光速の宇宙船、ワープ航法、etc…。
いかにも「SFです!」というのが多かった。
しかしこの「プラネテス」は、実際来るであろう近未来を描くことで、SFなのにリアリティを出しています。
ネジ1個のデブリで死んでしまう!
そんなことを描いたSFはなかったですから。
そもそも「デブリ」という言葉もこの漫画で知りましたし。
この「プラネテス」以降、近未来SF漫画の流れが加速していったように思います。
作画が綺麗。
そして何と言っても。
絵がとにかく緻密で綺麗!
書き込まれているのにスッキリと見やすくすごい画力です。
この幸村先生の画力は現在連載中の「ヴィンランド・サガ」でも惜しみなく発揮されています。
それでも1巻は、今の幸村先生から比べると書き込みは少ない方。
3巻くらいから、現在の作画の雰囲気になっていきます。
さて、評価は?
本音を言えば。
もうちょっと続けて欲しかった。
10巻くらいまで。
とはいえ。
この4巻でスキッと終わるからこそ「プラネテス」が今も輝いて見えるのかもしれない。
SF好きの方には必ずオススメしたい【星10】です。
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