No.302
カテゴリ:ホラー
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:カトウタカヒロ
出版社: 小学館
発売日:2017/1/12(1巻)
巻数:1~3巻以下続刊
「ぱおーん。」
初めて見かけたときから気になってました。
生理的嫌悪をもよおすこの表紙。
これ「当たりかハズレ」のどっちかパターン。
ということで、読んでみました。
それがこの「ジンメン」です。
あらすじ
七年ぶりに故郷へ戻ってきた動物好きの主人公・神宮マサト。
お目当ては仲良しだったゾウのハナヨ。
幼馴染みの女子高生・ヒトミと動物園に向かう。
しかしついた動物園には異変が漂っていた…。
あえて言おう。
B級であると!
これは、好みが分かれそう。
昔のアメリカンB級ホラーを彷彿とさせます。
ある日突然に動物たちが襲ってくる。
しかも顔が人間のようになって。
怖いような可笑しいような。
でも生理的に嫌悪感を抱いてしまうそのビジュアル。
物語の展開は超スピーディー。
動物園に訪れた主人公。
突如変異していく動物たち。
始まるパニック!
みたいな。
あとはジンメンとなった動物たちから逃げるサバイバル。
この何の質問も受け付けないような、突っ走り感。
その勢いはすごい。
最初はあまりの急展開に失笑気味に読んでいたのですが…。
そのあまりのカオスっぷりにどんどんと引き込まれてしまいました。
これは意外に面白い。
ジンメンな人たち。
マサト。
特殊な能力(動物と心を通わせる)を持つ。
象のハナヨと特に仲が良かった。
ヒトミ。
マサトの幼馴染。
中田。
象の担当飼育係り。マサトとも旧知の間柄。
何かジンメンの謎を知っている様子。
ハナヨ。
メスの像。ジンメンとなるがマサトに何かを伝えようとする。
ジンメンたち。
言葉をしゃべれるようになり、知能も人間並みとなっている。
まさにごった煮。
設定からキャラから展開から何から何まで。
新旧織り交ぜ、あらゆる要素をすべて突っ込んできます。
とにかく勢いがあります。
突如襲い掛かかってくる人面の動物たち。
次々と迫りくるピンチの連続。
まさに息もつかせぬジェットコースター的展開。
生き残った人間同士のゲスな裏切り。
これぞパニックホラーの王道!ともいうような流れ。
それだけじゃ終わらない。
さらに!
売れ線漫画の設定をも入れてくる大胆さ。
富士山一帯がなぜかぐるりと陥没。
ジンメン動物公国の樹立を宣言。
まんまハカイジュウだす。
そのジンメンたちに対抗するために。
人間が動物の能力を取り入れる。
注射を打つと…。
ゴリラに変身!!
獣の顔した人間。
ジュウメンだと…?
まんまテラフォーマーズだす。
これね。
著者もこういう各設定、言われるのが分かっていながら確信的に使っていると思います。
さて、評価は?
理路整然としたストーリーではありません。
カオスです。
このB級的なごった煮感を楽しめるかどうか。
色んな漫画のパクリじゃん。
っと言ってしまうのは簡単。
でもこれほど欲張って各設定を詰め込みつつも物語は破綻せず。
スピード感も維持しながら突き進んでいるのは著者のストーリーテラーとしての上手さ。
あとはパニックホラーといえばゾンビものが溢れかえる昨今の中で。
人面の動物。
このアイデアが他の量産されたパニックホラーと一線を画しています。
作画はまだ雑ですが、その荒さがジンメンの気持ち悪さにも繋がっています。
予想以上に面白い!の【星6つ】です。
好みが分かれそうなこの作品。
まずは試し読みしてみるのがよろしいかと。
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