リメインバッド

No.321
カテゴリ:ドラマ・サスペンス
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:中川貴賀
出版社: 講談社
発売日:2016/8/5
巻数:1巻完結

「”狩られる側”より”狩る側”のほうが面白いぞ」

はぐれ刑事あらわる!?

“部下殺し”の異名を持つ嫌われ者の刑事が活躍します。

きっかけはまたも電子バナー広告。
面白そうなので読んでみました。

それがこの「リメインバッド」です。

あらすじ

都内で発生した連続殺人事件。
被害者は皆、都室高校平成3年度卒業生。

捜査が行き詰まる中、所轄の風見署から警視庁捜査一課に異動してきた男がいた。
“部下殺し”と呼ばれる評判のとても良くない男。

彼が捜査一課に大混乱をもたらしながら事件解決へと突き進む。
そして、事件は予想を超えた意外な結末を迎える…。


感 想

初めて読む作家さん。

面白い!

とにかく主人公の刑事の存在感がいい。

嫌われ者のくせにキレ者。
刑事ものといえば、鉄板のこの設定。

でも、その鉄板をしっかり描き切ったところが素晴らしい。

良質のクライム・サスペンス。

とんちの効いた設定ではありません。

なので、途中まではある程度結末を予想していました。

が!!

最後に見事に裏切られた。

用意されたどんでん返し。

これは読めなかったなぁ。

心地いい「やられた感」を味わいました。


バッドな人たち。

土生旺輔(はぶ おうすけ)。巡査部長。
“部下殺し”と呼ばれる評判のとても良くない男。
捜査一課に異動となる。

渡慎治。警部補。
警視庁捜査一課のエース。
妻が連続殺人事件の犠牲者となってしまう。

渡奏。
渡慎治の一人娘。女子高生。
母を殺した犯人を捜す父を支える。


ネタバレ、ダメ絶対。

いつもは作品の見所などを書いていくところですが…。

この作品はネタばれしたら台無し。

何も予備知識を持たずに読むことをオススメします。

そして僕と同じく「やられた!」を味わって頂きたい。

なので何も書かずにおきますよ。


さて、評価は?

初掲載はgoodアフタヌーンの短期集中連載。
本作は著者にとっての2冊目の単行本とのこと。

この作品は一つの事件のみを描いた1巻完結作品。

それなのに、まるで長く続く刑事ドラマの序章のような仕上がり。

オイオイオイ。
まだ物足りねぇよ

これは是非シリーズ化して欲しい。

なぜ「部下殺し」と揶揄されるようになったのか?
もっと主人公の過去を掘り下げたエピソードも読んでみたいぞ。

毎回このクオリティで続くなら、刑事ドラマ系漫画の秀作になるはず。
って、それは難しいか!?

作画はまだ精緻とは言い難い。
ですが、生々しさ、泥臭さは好きな部類。

ということで、面白かったわ!の【星6つ】でオススメ。

是非、次回作もチェックしたい。

全1巻を読む
(2016)

現在「アフタヌーン」で試し読みできます。
➡︎こちらから


【その他の中川貴賀 作品】

ほしにねがいを
(2013)

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