No.123
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン
オススメ度4 ★★★★☆☆☆☆☆☆著者:古谷実
出版社: 講談社
発売日:2012/9/6(1巻)
巻数:4巻完結
「オレの人生は100点だ」
今回こそは…今回こそは…。
しかし。
毎回期待を裏切ってくれる古谷実先生。
前作から2年ぶりの新作がこの「サルチネス」。
あらすじ
14年間、引きこもっていた男。
愛する妹のため。自立をするため立ち上がる……。
とはいえ、何もできるはずもなく、周囲に大迷惑をかけるだけ。
己のため、“愛”のため、この想いをつらぬけるか!?
実は長いこと古谷作品から離れてました。
中古本屋で4巻セットを見かけたので購入。
「行け!稲中卓球部」でファンになり。
「僕といっしょ」で惚れ込んで。
「グリーンヒル」であれ?となり。
「ヒミズ」で思いっきり落ち込んで。
「シガテラ」でやっぱいい!
「わにとかげぎす」でもういいか…と。
それから7年?
読みしましたよ。久しぶり。
説教くさい!?
あぁ。やっぱり同じだ!
このブレなさはすごい。
「生きづらい」社会不適合者の主人公が出てくる。
人生を無駄に過ごす相棒キャラ。
気が弱く巻き込まれるキャラの登場。
そしてダメな主人公を気にかけるヒロイン(巨乳)。
これ「僕といっしょ」と同じですやん。
何だか説教くささだけがパワーアップ。
社会を、現実を、シニカルに。
社会的マイノリティを斬新な切り口で。
俺は描いてるぜ、って雰囲気を醸し出す。
社会的弱者を主人公にしながら、作者自身は当然その立場ではない。
だから嘘くさい。
本当に食うに困った人は、社会を斜めに見てる暇なんてないでしょ。
もっと必死です。
のたれ死ぬんです。
悠長に説教こねくり回してる暇なんてないはず。
そこに震えるような真実はない
フィクションだから当然なんですけど。
これを「心に刺さる」とか言っちゃう人は信用しねぇ。
誰もが一度は…。
古谷先生は同じ世代なので、若い時はその作風に衝撃を受け共感を覚えました。
しかし、自分が社会というものに組み込まれ何やかんやと頑張ってるとですね。
あまりに成長のないテーマと主人公像にイラッとくるんですね。
だんだんと共感できる部分がなくなっていく。
でも、逆に言うと。
誰もが一度は通る。ハマる。
青い時代、苦悩する時代、辛い時にそばにある。
でも自分が抜け出し、成長するにつれて読まなくなる。
そう考えるとすごいんです。
確かに一度は誰にも刺さるんだもん。
でもずっと読む気にはなれないんです。
それでいいのかもしれません。
褒めたりけなしたり、忙しくてごめんなさい。
さて、評価は?
僕は古谷実作品が大好きです。
それだけ思いいれが出てしまう。
本作はイマイチ。ただそれだけ。
なので【星4つ】。
他の作品はまたこれから紹介していきます。
【その他の古谷実作品】
ヒミズ
(2001〜2002)
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