夕凪の街 桜の国

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No.94
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン/1巻完結
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆

著者:こうの史代
出版社: 講談社
発売日:2004/10/12
巻数:1巻完結

「この世におってもええんじゃと教えてください」

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戦争とは何だったのか…?原爆とは何だったのか…?
掲載当時には大反響よんだ作品です。

それがこの「夕凪の街 桜の国」です。

概 要

優しいタッチ。ほのぼのとした絵柄。
とても可愛らしい娘さんの日常が描かれていきます。

ーーーと、思いきや。

そこに描かれるのは、ある被爆者一家のお話。
それは3世代にも渡ります…。


感 想

これほど真正面から「原爆」を題材にした漫画を読むのは、
小学校の時の「はだしのゲン」以来。

痛い表現や、グロい表現はほとんど出てきません。
誰が悪い、といって追求したり、糾弾したりもない。

思想的な押しつけなど微塵もない。

ただ、静かに、淡々と。
そして優しく誠実に。

被爆者一家の行く末が描かれていく。

最後の橋のシーンで、娘のモノローグが入るところでは目頭が熱くなります。


戦後70年を過ぎて。

すでに遠い過去となった…。
そう思ってしまいがちです。
正直、原爆のことを思い出すタイミングといえば、8月のニュースくらいになってます。

家の子は小学生の修学旅行で広島に行きました。
当然、資料館などを見学して帰ってきます。

もちろん行った後は、広島の話をすると神妙な面持ちになりますが、
やはりどこか「遠い昔の話」でありピンときていないのだろうな…、と感じます。

「戦後何十年もたっても終わっていない」

そんなストーリーだからこそ、現代を生きる子に伝わるのかもしれない。

これは子供たちにこそ読んでもらいた作品です。

全1巻を読む
(2008)


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