No.376
カテゴリ:ドラマ・サスペンス
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:原作:山川直輝 作画:朝基まさし
出版社: 小学館
発売日:2017/9/6(1巻)
巻数:1~2巻以下続刊
「全部入ったから・・」
原作が「100万の命の上に俺は立っている」の山川直輝先生。
作画が「サイコメトラー」「でぶせん」の朝基まさし先生。
前から気になってました。
2巻が出たタイミングで一気に読みました。
それがこの「マイホームヒーロー」です。
あらすじ
大学生となり、一人暮らしを始めたばかりの娘。
サラリーマンの鳥栖哲雄は、娘が心配。
ある日、娘に会いに行った哲雄は、娘の顔に殴打の傷を見つける…。
う~~~む。
面白いけど!どこかオカシイ!?
リアリティがありそうでない。
でもエンターテイメント性は高し。
一人娘を守るために。
半グレ集団の一人を殺してしまった父親。
そこから家族を守るため半グレ集団との戦いが始まるという…。
ちょっと、これ!?
なんで、そうなるかなぁ?
と思うところが多々あり。
展開はハラハラドキドキ。
二転三転するストーリー。
飽きないし引き込まれる。
でもね。
お前は、なんでそっちに行く???
と思ってしまうヒーロー像です。
マイホームな人たち。
鳥栖 哲雄。
おもちゃ会社の営業のしがないサラリーマン。
妻と娘をことなく愛すマイホームパパ。
ミステリー小説が大好き。
鳥栖 歌仙(かせん)。
哲雄の妻。両親は資産家。
鳥栖 零花。
哲雄の娘。危機感の薄い女の子。
麻取 延人(のぶと)。
零花の彼氏。
零花が資産家の孫と知り近づいた。
恭一。
キレ者のヤクザの構成員。
消えた延人の行方を追う。
麻取 義辰(よしたつ)。
大物詐欺師。延人の父。息子を溺愛している。
なんでそうなる?
初めて一人暮らしを始めた娘。
様子を見にいったら顔に大きなアザ。
彼氏か?
どこのどいつだ!話つけてやる!
もちろん娘は否定します。
娘のいない時間に侵入だ!
ガチャ…
って!
なんでそうなる?(1回目)
そして。
突然やってきた半グレの彼氏と鉢合わせ。
このままでは娘に危害が及ぶ!
よし、先制攻撃だ!
いきなりクローゼットから飛び出して、炊飯器で殴りつける。
って!
なんでそうなる?(2回目)
完全にマーダーです。
でも、、まぁ、、、。
やりすぎちゃったのかな。。
それは致し方ない。
怖かったしね。
やらないとやられたかもね。
そこへやってくる母親。
死体を一瞥して。
「跡形もなく消しちゃいましょう。」
って!
なんでそうなる?(3回目)
もう、突っ込むの疲れるわ!
明らかに破滅への道なのに。
なんでそうなる?
って選択が多すぎる。
この肝の座り方!(驚)
まず、大前提として。
主人公はミステリー好き。
自分でミステリー小説を書いて投稿するほど。
だから、様々なトリックやアリバイ工作の知識は豊富である…と。
だからって。
知識があるのと行動を起こせるのはまた別問題。
ちょ!おいおいおい。
普通のおっさんがですよ。
人を殺めてしまったすぐ後ですよ。
いきなり人体の解体とかできますか?
冷静に必要物資の購入を指示。
数時間で処理を終え帰宅と。。
百戦錬磨の工作員か???
さて、評価は?
緊張感とコメディが同居した作画が素晴らしい。
多少「???」と思うストーリーを、エンターテイメント性たっぷりに演出してくれます。
そのせいか。
なんでそうなる?と思いつつも、どんどんと話に引き込まれてしまいます。
物語は二転三転。
ジェットコースター的に進んでいます。
明らかに破滅への道。
しかし作品全体に流れる楽観的なムード。
これはまさかのハッピーエンドなのか?
この先どのように展開するのかわかりません。
で。
小市民的な人間の心理状況を追っかけると。
当然リアリティはありません。
誤って人を殺めてしまう。
これはあるかもしれません。
でも。
そこから人体損壊に至る。
そこには絶対に越えられない。
大きな壁があると思っています。
絶対的な嫌悪感。
あの名作、桐野夏生の『OUT』のような。
人体損壊に至る、究極の閉塞感。
追い詰められていく心理状況、そんな描写は全くなし。
なので。
リアリティを追求するサスペンス好きの方には、合わないかもしれません。
あくまでフィクション。
映画を楽しむような感覚で読むのが良いかと。
軽く読むのが吉!の【星7つ】でオススメです。
【その他の 作画: 朝基まさし 作品】
サイコメトラー 全15巻
原作:安童夕馬
(2011〜2014)
クニミツの政 全27巻
原作:安童夕馬
(2001〜2005)
【その他の 原作: 山川直輝 作品】
100万の命の上に俺は立っている 1〜3巻
(2016〜)
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