ウツボラ

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No.117
カテゴリ:ドラマ・サスペンス/2巻完結
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆

著者:中村明日美子
出版社: 太田出版
発売日:2013/10/16
巻数:2巻完結

「彼女は一体何者なんですか?」

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綺麗で、怖い。
この瞳に魅了されました。
表紙の少女の顔が妖しくて気になって。
それだけで手に取ったのが、この「ウツボラ」です。

あらすじ

謎の死を遂げた美少女、藤乃朱(あき)。
入れ替わるように朱の双子の妹と名乗る少女、桜が、作家・溝呂木の前に現れる。
彼女の正体は一切不明。
「朱」と「桜」、二人の点をつなぐ作家・溝呂木は、盗作に手を染め深い闇に追い詰められていく。
そして事件の謎を追う編集者と刑事。
顔のない死体とひとつの小説をめぐるミステリー。


感 想

独特のタッチ。
黒と白のコントラスト。硬く細い線。
官能小説や背徳的な小説の挿絵に出てきそう。
とにかく登場人物の作画が印象的。

主人公の小説家がどんどんと謎の美少女に翻弄されはまり込んでいく…。
抜け出せない背徳感がイイネ!です。
小説家と美少女。この昭和の官能小説のような設定とビジュアルにやられます。
もちろんエロシーンもあり。
卑猥なのに綺麗。


サイコ・サスペンスという煽りが作品紹介で書いてありますが、ストーリーにサイコ要素はありません
2時間ドラマの火曜サスペンスに近い。

サスペンスでありながらテーマはクリエーターの苦悩です。
生み出せないのなら死を選ぶべきのか!?

禁断の「盗作」という行為に手を染めたのは何故か?
謎解きよりも作家の追いつめられた心理に迫っていきます。

作る者、崇拝する者、売る者、三者三様の思惑が絡み合う。
ラストシーンの告白が印象的です。

サスペンスなのでやはり最後に大きなオチが待っています。

スッキリとしたラストではありません。
しかし読み応えは十分。
2巻で完結。一気読みがオススメです。

全2巻を読む
(2013)


【その他の中村明日美子作品】

ノケモノと花嫁 THE MANGA 1〜5巻
(2009〜)

薫りの継承
(2015)

先生のおとりよせ
(2014)

O.B.
(2014)

鉄道少女漫画 全3巻
(2011〜2013)

空と原
(2012)

呼出し一
(2010)

あなたのためならどこまでも
(2010)

卒業生 全2巻
(2010)

ダブルミンツ
(2009)

曲がり角のボクら
(2009)

2週間のアバンチュール
(2009)

同級生
(2008)

片恋の日記少女
(2008)

ばら色の頬のころ
(2007)

Jの総て 全3巻
(2004〜2006)

コペルニクスの呼吸 全2巻
(2002〜2003)

鶏肉倶楽部
(2002)

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