No.104
カテゴリ:歴史/1巻完結
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆著者:岩明均
出版社: 白泉社
発売日:2002/12/19
巻数:1巻完結
「彼女の町を…裏切った」
マケドニア王国を扱った大作「ヒストリエ」を現在連載中の岩明均先生。
その原型とも言える作品がこの「ヘウレーカ」です。
ヒストリエが好きなら、本作もハマるはず。
あらすじ
主人公はスパルタ人のダミッポス。
彼はシチリア島の中心都市シラクサに流れ着く。
そこでシラクサをこよなく愛するローマ人のクラウディアと出会う。
シラクサはローマの同盟国。
しかしある日クーデターが起こり、カルタゴ派が実権を握る。
シラクサはローマとの同盟を破棄。
シラクサ在中のローマ人は次々と連行されていく。
ダミッポスとクラウディアは市内のローマ派の重鎮で天才学者、アルキメデスの庇護を請う。
そこに押し寄せるローマの大艦隊。
クラウディアを守るため、シラクサを守るため、ダミッポスは立ち上がる…。
舞台は紀元前3世紀の後半。
古代ローマ時代のシチリア島が舞台。
ローマ対カルタゴの第二次ポエニ戦争中のお話。
ヒストリエが紀元前4世紀ですから、およそ100年ほど後の世界になります。
ポエニ戦争!世界史でやったなぁ!
戦争ロマンではありますが、大規模な合戦シーンなどはありません。
あくまで主人公はダミッポスとクラウディアという一般市民。
兵士ではなく、市民として戦争を外側から捉えた視点で描かれていきます。
アルキメデスの兵器。
見所はずばり!
ローマ軍を撃退する数々のアルキメデスの兵器。
そしてダミッポスが考案する「光の兵器」
史実では実際にこれらの兵器があったのかは不明。
本作は史実をベースにしたファンタジー。
あまり細かいとこは気にせず。
アルキメデスは有名な実在の人物ですが、主人公たちは創作。
ヘウレーカ!
タイトルの「ヘウレーカ」
その意味は「見つけたぞ!」
アルキメデスが浮力の原理を発見した時に「ヘウレーカ!」「ヘウレーカ!」と叫んだとされます。
これを書くにあたって調べてみました。
そうだったのか!知らなんだ…。
そして有名なこの史実もしっかり登場します。
数学者アルキメデス
激昂したローマ兵に殺害される。75歳。
今だからできる楽しみ方。
この「ヘウレーカ」刊行の1年後、2003年から「ヒストリエ」が始まります。
「ヒストリエ」1~9巻を読み。
そしてまた「ヘウレーカ」を読み直す。
すると、どうでしょう!
色々と共通項が発見できて面白い。
スパルタ人(勇猛・野蛮)の出なのに線が細く頭脳派。
スキタイ人(勇猛・野蛮)なのに線が細く頭脳派。
ほら一緒!
実は各所にヒストリエで出てくるキャラの原型(デザインが!)が登場します。
最初に出てくるハンニバル。
カルタゴ派のエピキュデス将軍などなど。
アルキメデス邸の従者なんて、ヒストリエのあの人にしか見えない…。
ペンダントまで一緒!
皆さんも見つけたら、ぜひ「ヘウレーカ!」と叫びませう(笑)
【その他の岩明均作品】
レイリ
(2016〜)
記事を読む
雪の峠・剣の舞
(2001)
記事を読む