No.218
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:熊倉 献
出版社: 小学館
発売日:2017/1/23
巻数:1巻完結
「モヤモヤした時は 道路標識を放り投げるんです」
「2017年最注目の新鋭!」
なんて煽られたら。
やはり読まずにおれますまい。
独特の世界観で注目を集めているこの作品。
「春と盆暗」読んでみました。
概 要
収録作品は以下の4編。
1. 月面と眼窩
2. 水中都市と中央線
3. 仙人掌使いの弟子
4. 甘党たちの荒野
あらすじ
好きな子ができた。同じ職場の女の子。
それも誰もが認める「いい人」キャラ。
しかし僕は、彼女のとんでもない“頭の中”を知ってしまう!
(月面と眼窩より)
発想の切り口が斬新です。
というか。
エッジが立ちすぎている。
理解するには、ある程度の素養が求められる。
教室の片隅で何か冷めたような、悟ったような眼で座っている。
そんな寡黙な子っていませんでした?
何だか、そんな少年の頭の中、妄想が漏れ出たようなお話が続きます。
この「ハッ」とさせられる感覚。
新しい感性に触れたような。
昔、デビューしたての頃の浅野いにお作品を読んだ時に似ています。
あらすじ&1カット
1. 月面と眼窩
不思議な妄想をする女の子に惚れた男の子のお話。
2. 水中都市と中央線
バイト先のカラオケBoxに現れる女の子。毎回名前が違うが、実はその名前…?
3. 仙人掌(サボテン)使いの弟子
おじいちゃんの家で再開した親戚のお姉さん。仙人掌の育て方をきっかけにお近づきに!?
4. 甘党たちの荒野
脳内で早送りをして景色を見れる青年。ある日、ケーキの作り方を巻き戻ししてと依頼されるが…。
さて、評価は?
読み始めて、読み終わるまで。
着地点がまったく見えない。
予想もつかないオチが待っています。
それがスッキリするかどうかは置いといて。
気持ちいいような。
懐かしいような。
煙に巻かれたような。
なんだか不思議な読後感。
ストーリーの展開や面白さを語る作品ではありません。
まさに「考えるな!感じるんだ!」です。
まずはオススメの【星7つ】。
この不思議テイストが長編ストーリーになるとどうなるのか。
次回作に期待大です。