No.293
カテゴリ:ドラマ・サスペンス
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:中川海二
出版社: 集英社
発売日:2017/6/2(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「終わるんだ」
生と死の在り方を問うサイコ・サスペンス開幕!
ですと?
シンプルながら、雰囲気を感じるこの表紙。
これは何かあるに違いない。
ということで読んでみました。
それがこの「ROUTE END」です。
あらすじ
死体処理を行う“特殊清掃業”を生業とする青年・春野。
ある日、連続猟奇殺人事件「END事件」の処理を担当することに。
それから彼の日常は壊れてゆく…。
う〜〜む。
イイッ!!
ある猟奇殺人をテーマにしたサイコ・サスペンス。
幸か不幸か。
画力がまだそれほど高くないために。
内容の割には、それほどグロく感じません。
物語はまだ序章。
導入部として、丁寧に背景を描いたこの1巻。
読み応えはバッチリ。
これはクライム・サスペンスの良作になりそうな予感です。
ENDな人たち。
春野太慈(たじ)。
特殊清掃会社アウンの社員。
幼少期に母の自殺現場を発見するというトラウマを持つ。
橘浩二。
殊清掃会社アウンの社長。
春野を後継者に指名し突然に姿を消す。
「END事件」に何か関わりがある様子。
五十嵐秋菜。
高曽根署・捜査一課の刑事。
弟が自殺した過去を持つ。
エンド。
謎の猟奇殺人犯。
死体をバラバラにし「END」という文字を残す。
骨太なサイコ・サスペンスか!?
掲載は少年JUMP+。
随分と攻めたテーマだな、おい!
初めて読む新人作家さんです。
最初にも書きましたが、画力はまだそれほど高くありません。
ですが、それを補うに十分のシナリオ。
ストーリーの構成力が素晴らしい。
グイグイと物語に引き込まれます。
起こる謎の猟奇事件。
主人公の過去。
師匠たる社長の過去。
刑事の過去。
次々と出てくる登場人物。
伏線が少しづつ張られ。
さらに新たな謎が現れて。
じわじわと闇が深く広がっていくイメージ。
これはどうなるんだ?
と。
面白いサスペンス映画の序盤のような仕上がり。
さて、評価は?
表紙の作画はすごくよかったんです。
でもこのレベルを期待して読むと、ちょっと物足りなく感じます。
この緊張感が本編にあればなぁ…。
猟奇的なシーンなのにあまり怖くない。
もっと背筋がゾクッとくる表現が欲しい。
映画「羊たちの沈黙」があれほど大ヒットしたのは、ストーリーの秀逸さもさることながら。
あのホラーにも負けず劣らずのグロさと怖さ。
それをしっかり描いているからこそだと思います。
ただの刑事ドラマレベルなら、今の作画でも十分良いと思いますが…。
“特殊清掃”という死体を描くシーンが多い割には、あまりにも絵が雑かなと。
死体もマネキンのように見えてしまったり。
ひょっとすると掲載誌ゆえの配慮かもしれません。
なので。
作画がチョイもの足りないけど…の【星7つ】です。
ストーリーはかなり面白い。
次巻にも期待。
ジャンプ+で試し読みできます
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