外天楼

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No.110
カテゴリ:ミステリー/1巻完結
オススメ度5 ★★★★★☆☆☆☆☆

著者:石黒正数
出版社: 講談社
発売日:2011/10/21
巻数:1巻完結

「狙いは…女神の棚」

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「それでも町は廻っている」で有名な石黒正数先生の短編集。

1話完結のオムニバス・ストーリーと見せながら実は1本に繋がっている!?

その手法とラストの裏切りっぷりがすごくて評価の分かれる作品です。
それがこの「外天楼」です。

あらすじ

どこかの近未来。
外天楼(げてんろう)と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々のストーリー。

エロ本を探す少年。
リストラされた宇宙刑事。
ロボットがいて、殺人事件が起こって…?
謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。
“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実…!?


感 想

「それ町」が好きで石黒作品ということで手に取りました。

不可思議テイスト。
切なくて笑えるミステリー。
そしてなんだかノスタルジック。

そんな石黒ワールドを期待していましたが…。

これは!

半分は期待通り。
そして半分はまるっきり逆。

期待はずれ、というより裏切られた!感が強い。


思いもよらぬ結末。

この裏切りを「良し」と思うかそうでないか。
そこが評価の分かれ目になるんじゃないかと。

当時Amazonでは軒並み高評価。
僕はこれに疑問を投げかけたい

最初からこの結末ありき。
あえて前半はそれを隠すために伏線として使った…
というなら、もう文句なくやられました。

降参です。
このラストは、まず想像つきません。


予定通りなのか?

この結末へ続く物語。

当初のプロット通りだったのでしょうか?

僕には途中で路線を変えたというか。
思いつきで着地点が変わった?というようにしか思えません。

おそらく最初から考えていたなら、石黒先生ならもっと緻密な伏線を張ると思うから。
こんなに「取って付けた」感のあるラストにはしないと思うんです。


さて、評価は?

ラストとして扱ったテーマは作品の前半のカラーとは合いません。

お寿司とハンバーガーを一緒に食べさせられた、そんな感覚です。

どちらも美味しいけれど、一緒に食べるのはないだろ?と。
別々に食べた方が美味しいよね?と。

なので【星5つ】。
皆さんならどう感じるでしょう?

ちなみに。
もし「それ町」でこれっぽいどんでん返し結末をすると大ブーイングだろうな。
あの「ハイスクール奇面組」のラストに匹敵するほどの伝説になるかも…。

全1巻を読む
(2011)


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