バックステージ

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No.109
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン/1巻完結
オススメ度9 ★★★★★★★★★☆

著者:ナカタニD
出版社: 小学館
発売日:2011/5/30
巻数:1巻完結

「一人10円ずつギャラを払えるよう頑張ります。」

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小演劇好きなら読んでおかなければ勿体ない!
そんな作品がこの「バックステージ」です。

あらすじ

銀行の営業一筋に生きてきた男・谷口温(のどか)。
本当の笑顔とは何だったのか?
これが正しい生き方だったのか?

現状に悩んでいた谷口が、ひょんなことから小劇団の舞台に誘われる。
打ち上げに参加したら、なぜかそのまま勢いで”セーサク”に任命されてしまうことに。
右も左もわからないまま芝居の世界に飛び込んだ谷口。
ビジネスマンとして生きてきたその腕を発揮して悪戦苦闘の日々が始まる…!


感 想

よくぞ芝居の世界を描いてくれました!

しかも役者ではなく”制作”という視点から。
これはもう美味しすぎます!

芝居という世界は不思議です。
外から見るのと、中から見るのでは、全く景色が違います。

1巻完結でこれほど!
その中から見た景色、空気感というものを描いているのは素晴らしい。

実は私、学生時代に同じように小劇団なるものにどっぷり携わっていたことがありまして。
しかもかなりガチのパターンです。
もう、描いてあることすべて他人事じゃない!

普段より120%感情移入!熱さ増し増しで書いています。
ウザくてすみません(笑)


芝居って大変!?

たぶん、本作を読んだ人は「わ〜芝居って大変!」「食えないんだネ〜」のような感想をお持ちになるはず。

でもね!

この舞台となる小劇団の「バズ・セッション」。
現実の小劇団に置き換えると相当に「売れている」方になるんですよ!

たぶん小劇団の規模、運営状況なんて普通の人は分かりませんよね。
ギャラが出るなんて夢のまた夢。
自分たちの「持ち出し」が当たり前の世界。

主人公の谷口が、劇団員に向かって約束するシーン。

これ。
重いんですよ。
本当に重いセリフなんです。


なぜ続けるのか?

お金払って、辛い稽古して、時間と情熱を注ぎ込み、舞台を創りあげる。

なんで、こんなことするんでしょう?

その目に見えない言葉にもできない理由。
それを「一度スポットライトを浴びたら離れられないぜ」みたいな—。

そんな使い古された安いセリフで語って欲しくない。
浮かび上がる「夢」と「情熱」と「現実」のバランス感覚の大切さ。

最終話に、劇団主宰のかつての仲間が舞台を見に来ます。

芝居の世界から身を引いた、その友人が投げかける言葉。
それがまさしく「なぜ続けるのか」の答えかもしれません。


さて、評価は?

初めて手に取ってからもう5年。

今だに読み返す、お気に入りの作品です。

個人的感情もありつつの【星9つ】

芝居好きの方にオススメです!

全1巻を読む
(2011)


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(2011〜)

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(2004〜2006)

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