No.235
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン/恋愛
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:小鬼36℃
出版社: 新書館
発売日:2017/1/6
巻数:1巻完結
「笑って死にたい」
なんともウズウズする漫画に出会いました。
「青春が、胸を刺す!」
なんてキャッチコピー。
ほうほう。
左様か・・。
刺してもらおうじゃないのぉおお!
ってグレたおっさんのような気持ちで読み始めました。
それがこの「あの日、世界の真ん中で」です。
あらすじ
田舎町で育った茎太は、好きだったギターをやめ、やりたいこともなくくさっていた。
そんな時、幼馴染の茎子が陸上で町を出て行くという噂が流れるが…。
ぐっはぁぁぁああ。
刺しますな。
ちょびっとだけね!
このリア充が!ケッ!!
という嫉妬に似たよくわからない感情も抱きつつ。
心の奥の方にしまいこんだキラキラした感情。
あれだ!
アイツを刺激しやがる。
なんとも眩しい青春グラフィティ。
主人公の屈折の仕方はちょっと古い。
今時というより、ひと昔前の若者のような気がする。
だからこそ、好きだ。
ストレートな曲がり方?
くすぶる熱にこそ、ドラマが生まれます。
真ん中な人たち。
天草茎太。
ケンカッ早く停学をくらいまくり。
田舎街を嫌い、くすぶっている高校生。
ギターの上手さは父親綴り。
花山茎子。
茎太とはお隣さんで同じく母子家庭。
将来有望な陸上選手。
茎太の叔父。
めちゃくちゃ怖い。
茎太の行く末を案じて厳しい態度をとる。
あの日、は誰にもある。
やりたいことはある。
成功できるかわからない。
だから怖い。
勇気がでない。
「できない理由」を探す。
「やりたいことを諦める理由」を探す。
きっと一度でも「夢」というものを抱いたことがある人ならわかるこの感情。
不安で押し潰されそうな、毎日。
その不安を一撃で吹っ飛ばす衝動。
決意が訪れる、あの日。
この「あの日」は誰にでも訪れます。
この作品はその瞬間を見事に描いています。
さて、評価は?
作画は線が細く、繊細。
まだ緻密というわけではない。
タッチは少女漫画と青年漫画を足して割ったような。
程よいライトさ。
あとは全編通してコテコテの関西弁。
しかも、大阪の南の方。
生徒に「いちびってんのかっ」て怒る教師。
そんなんおらんがな(笑)
関西以外の方が勘違いしてしまうでしょ!
関西弁に慣れてない人は若干読みにくいセリフや、ニュアンスがあるかも。
ということで【星7つ】。
著者はこれがデビュー作ということなので。
次回作にも期待です!