No.20
カテゴリ:スポーツ
オススメ度10 ★★★★★★★★★★
著者:佐藤タカヒロ
出版社: 秋田書店
発売日:2015/3/06(1巻)
巻数:1〜14巻以下続刊 <連載中>
「俺の全部を・・・くれてやる」
とにかく熱い!!かっこいい!
バチバチ(序二段編16巻)、バチバチバースト(幕下編12巻)に続く第三部の幕内編。
それがこの「鮫島、最後の十五日」です。
あらすじ
誰よりも相撲を愛しながらも、小兵と呼ばれる恵まれぬ身体。
もがき…抗い…挑み続けた幕内力士、鮫島鯉太郎。
熱き力士の冷酷な一場所、十五日間の記録と記憶。
大相撲巨編「バチバチ」シリーズ最終章。
え、三部作の第三部ですと?
途中から読んでも大丈夫?
ハイ、大丈夫です。
本作は「バチバチシリーズ」の第三部という位置付けですが、心配するなかれ!
前作を読んでいなくても、この幕内編から読んでも十分に楽しめます。
事実、僕は第二部から読み始めて、ハマりました!
それほど、紙面からほとばしるエネルギーが凄すぎる!
「大きさ」=「強さ」の相撲界。
相撲に「選ばれてない」小兵力士の鮫島。
その命を燃やし尽くすように相撲を取る姿が凄まじい!
これほどスピード感と迫力のある相撲漫画はいまだかつてありません!
バチバチな人たち。
鮫島鯉太郎。
空流部屋。東前頭十四枚目。
小柄な体格ながら、真正面からぶつかる相撲で人気力士となる。
飛天翔(石川)大器。
新寺部屋。西前頭十二枚目。
鮫島と同期。同じく小柄力士で真正面からぶつかるスタイル。
慢性外傷性脳症を発症し、場所初日の鯉太郎戦を最後に引退を決意する。
仁王 剛平。
空流部屋の部屋頭。関脇。
将来の横綱と期待される。
俺の全部をくれてやる。
十五日、つまり相撲の取り組みの日付のままに、物語は進んでいきます。
その1日1日の取り組みが重い!
対戦相手との因縁。
仲間との絆、友情、過去のエピソードなども絡み、ドラマ性もたっぷりです。
鮫島がしぼり出すように。
「俺の全部を・・・くれてやる」
と語る姿には奮えます。
満足の【星10】!
たぶん1巻読んじゃうと止まらないと思う!
嘘だと言ってくれ…。
【2018.7.5追記】
昨日、突然に飛び込んできた佐藤先生の訃報。
「まさか??」
にわかには信じがたいことでした。
つい5日前には完結した「ドカベン」の水島先生へお祝いのメッセージを送っていたのに。
あまりに急なことで、ただただ驚くばかりです。
死因は発表されていませんので、病気なのか、事故なのか。
それさえもわかりません。
そして佐藤先生の最高傑作となったであろう、本作「鮫島、最後の十五日」。
まだ、連載中でした。
最終日まであと2日。
まさか、こんな結末になってしまうとは…。
あの、鮫島のセリフ。
「俺の全部を・・・くれてやる」
まさに、鮫島さながらに命を削って描いていたのでしょうか…?
心よりのご冥福をお祈り申し上げます。
最後に。
未完となるのが確定した本作ですが。
未読の方は、それでも手に取ってみてほしい。
ここには、佐藤先生の魂が込められています。
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