潰談 伊藤潤二傑作集11

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No.187
カテゴリ:ホラー
オススメ度9 ★★★★★★★★★☆

著者:伊藤潤二
出版社: 朝日新聞出版
発売日: 2013/4/19
巻数:1巻完結(シリーズは11巻あり)

「気付いたらここで…体が動かなくなっていたんだ」

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ホラーコミック界の旗手・伊藤潤二先生の傑作を集めた人気の作品集。

シリーズ11巻まであるこの傑作集。
その最後を飾るのが、この「潰談」です。

概 要

伊藤先生の短編集の中でも人気の「闇の声」と「新・闇の声 潰談」。
本作はすでに刊行されているその2冊を1冊にまとめたものです。

表紙も「新・闇の声」と同じなので注意が必要です。
ちょっとややこしいですよね。

闇の声
yamino-koe_cover(2003)
新・闇の声 潰談
shin_yamino-koe_cover(2006)

収録作品は以下の通り。

1.血をすする闇
2.ゴールデンタイムの幽霊
3.轟音
4.グリセリド
5.地縛者
6.死刑囚の呼鈴
7.お化け屋敷の謎
8.双一前線
9.双一の愛玩動物
10.合鏡谷にて
11.幽霊になりたくない
12.蔵書幻影
13.闇の絶唱
14.潰談


感 想

前回の記事「うめく排水管」と比べると、様々なベクトルの恐怖が収められています。

お化け、妖怪もの。
心霊、幽霊もの。
怪異。不条理もの。

バラエティに富んだ伊藤潤二ワールドを堪能できます。
どれもホラー短編として秀逸です。

特にお気に入りは、4、5、6、9、14。

あらすじ & 1カット

4. グリセリド

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油が滲み出る男の話。
ビジュアルの気持ち悪さが半端ないです。

5. 地縛者

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日本中で同じ場所で同じ姿勢で佇む、謎の現象が広がり始める。
彼らは、なぜ、動かないのか?

社会派ホラーとでもいいましょうか?
考えさせられる1編です。
本作の中で一番好きです。

6. 死刑囚の呼び鈴

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毎夜、被害者の自宅へ許しを請いに呼び鈴を鳴らしに来る死刑囚。
彼は収監されているはずなのに何故?
それは幻か、生き霊なのか?

「許す」とは、どういうことか?
こちらも考えさせられる1編。

9. 双一の愛玩動物

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伊藤作品の人気キャラクター・双一のスピンオフ。
ホラーというより、もはやギャグ。

14.潰談

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表題の作品。
男が持ち帰った謎の蜜。
それを舐める時は気づかれてはいけない…。

この発想は凄すぎる。


珠玉の14編が1冊で読めるという、この贅沢。
ホラー好きにはたまらない。

オススメです。

全1巻を読む
(2013)


【その他の伊藤潤二作品】

*伊藤先生の短編集は様々なヴァージョンで刊行されています。
収録内容がかぶる場合もありますので、幾つかは省略しています。
電子書籍化しているものを中心に載せています。

伊藤潤二自選傑作集
(2015)

魔の断片
(2014)

溶解教室
(2014)
記事を読む

伊藤潤二傑作集 全11巻 (2011〜2013)

第1巻 富江 上
第2巻 富江 下
第3巻 双一の勝手な呪い
第4巻 死びとの恋わずらい
第5巻 脱走兵のいる家
第6巻 路地裏
第7巻 首のない彫刻
第8巻 うめく排水管(記事を読む)
第9巻  墓標の町
第10巻 フランケンシュタイン
第11巻 潰談

憂国のラスプーチン 全6巻
(2010〜2012)

ブラックパラドクス
(2009)

伊藤潤二の猫日記 よん&むー
(2009)

地獄星レミナ
(2005)

ミミの階段
(2003)

ギョ 全2巻
(2002)

うずまき 全3巻
(1998〜1999)
記事を読む

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