No.96
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン/1巻完結
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆著者:浅野いにお
出版社: 小学館
発売日:2005/6/17
巻数:1巻完結
「世界はいつか終わるんだって」
浅野いにお先生お得意の日常の裏に潜む闇。
綺麗に取り繕った裏側をシニカルに描いた短編ストーリー。
光のあるところ影が生まれる。
それがこの「ひかりのまち」です。
あらすじ
「ひかりのまち」と呼ばれる、ある新興住宅地。
大型マンションが立ち並び、それをぐるっと囲むように昔ながらの家並みが共存している。
そこに集う様々な人々。
行き詰まりを感じてる漫画家。
自殺を幇助している小学生。
大きな傷を負った女子中学生。
妻を殺した父。
事件を追う刑事。
そのかつての同僚。
一発逆転を狙うチンピラ。
やがて全ては1つに繋がってゆく…。
濁った澱(おり)のような感情を描き出す浅野ワールド。
初期作品ながら、その世界観はすでに垣間見えます。
1編1編のオムニバスストーリーのように見せながら。
実は1本に繋がっています。
相変わらず構成が上手い。
この頃の浅野作品はまだ毒が薄めというか。
最近の救いのなさに比べると断然あたたかい。
希望を感じさせる表現で締めくくっています。
評価の分かれる、作品です。
浅野作品は「すごく好き」という人と。
「青くさい」「説教っぽい」等と感じる人とに分かれます。
この評価がきっぱり割れるのが、浅野作品の特徴かも。
例えるならEXILEしか聞かない人に、デビュー当時のRADWINPSを聞かせるようなもの。
そりゃ、合わないでしょう。
感性のベクトルが同じ方向に向いていないと、受け入れ難いかもしれません。
読む側の引き出しも求めてくる、そんな作品です。
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(2014〜)
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