うちのクラスの女子がヤバい

No.326
カテゴリ:ギャグ/学園モノ
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:衿沢世衣子
出版社: 小学館
発売日:2016/4/15(1巻)
巻数:3巻完結

「見えてたらピースして!」

思春期限定の不思議な力。

しかもそれが「無用の力」だったら!?

試し読みしたら一発で引き込まれました。

なんとも不思議な空気感を醸すスクールコメディ。

それがこの「うちのクラスの女子がヤバい」です。

あらすじ

1年1組はどこにでもあるごく普通のクラス。
だけど、他のクラスとはちょっとだけ違うところがありました。

女子生徒がみんな「無用力」と呼ばれる、まるで何の役にも立たない超能力を持っていたのです――。


感 想
これは、面白い!!

「能力モノ」漫画は山ほど溢れています。

でも「無用の能力モノ」は初めてじゃないかと。

思春期限定の不思議な力。

イライラしたら手がイカゲソになるとか。
困惑したら、髪に花が咲くとか。

よくぞこんな能力思いついたなw

いらねえ(笑)

本当に「無用な能力」ばかり。

でも、それがいい。

思春期特有の悩み、葛藤が能力として具現化するのか?

…なんて。

大層なバックボーンは何もないです。

無用力を備えた少女たち。
その「いらない能力」にちょっとだけ振り回されます。

利用せず、邪魔にせず。

ちょっとづつ折り合いつけながらやっていく。

無用なのに、無用じゃない。

全部ひっくるめて思春期。

そんな心がちょっと温まるエピソードが嬉しい。


無用力な人たち。

八麻利(やまり)さん。
ドキドキして心拍数が上がると人や物が透けて見える。

扇花(おうか)さん。
イライラすると指がイカゲソになる。

リズさん。
可愛いもの(馬限定)を見るとぬいぐるみになってしまう。


無用力とは?

「思春期性女子突発型多様可塑的無用念力」

略して無用力。

なんじゃそりゃ?

思春期の女子のみに現れて、やがて消える能力。
無害な上に役にも立たない能力ということですが…。

果たして無用の能力なのか?

みんながみんなしょうもない能力ではありますが…。

でも「使いようによっては有用じゃね?」というのもあり。

ということで。

途中で無用力を利用しようとする謎の組織も出てきます。

なんだこれ?

胡散臭さMAX!!

そんな展開がありつつも、カオスにならず、しっかり学園モノしてます。

一貫しているのは、決して派手なSFファンタジーなどにならないこと。
あくまで高校生の日常にしていること。

ささいな、ささいな出来事。

無用力のエピソードが一人一人描かれていくのですが、その人物が一話で終わらず、何度も登場してきます。

結果、クラスメートの人間関係も掘り下げられ、図らずも今時の学園青春モノになっているわけです。


さて、評価は?

このさりげない空気感がいい。

些細すぎず、微妙すぎず。
小さすぎず、大きすぎず。

そんな各エピソードのオチが秀逸。

不思議な爽やかさが流れています。

3巻完結というボリューム感もまたいい。
ぜひオススメしたい【星7つ】

ライトに読める秀作です。

全3巻を読む
(2016〜2017)



うちのクラスの女子がヤバい 3 冊セット


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