No.344
カテゴリ:ギャグ/エロティック
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:原作:天原 作画:万太郎
出版社: キルタイムコミュニケーション
発売日:2017/8/21(1巻)
巻数:1巻以下続刊
「なんだか最近 世界がおかしい」
男女の貞操感が逆転したらどうなるか!?
そんな突拍子もないアイデアから生まれたこの作品。
それがこの「貞操逆転世界」です。
あらすじ
市川桃奈が病院で目覚めると、そこは男女の貞操観念だけが逆転した世界だった。
下ネタで盛り上がる女子高生、女性向け店舗ばかりの風俗街…。
桃奈は貞操が逆転した世界で四苦八苦するが…!?
う~~む(笑)
男女を逆にするだけで。
ここまで異様な世界になるのか!
この作品。
もともとは原作の天原先生が同人誌で発表していた成人漫画。
そのアイデア、設定はそのままに、主人公を少年から少女に変えて。
商業誌にエロコメとして落とし込んだのが本作です。
今回のリメイクにあたり、主人公を男から女に変更したのが秀逸。
男が主人公のままだと、女性が性欲旺盛な世界に行けてラッキー!
というWin-Winで、出オチアダルト漫画一直線になったと思うんです。
それが、主人公が女の子になることで。
周囲の変化に戸惑いつつ「異世界に的確にツッコミを入れる」というキャラに変貌を遂げました。
そこが面白い!
物語の内容上、どうしてもエロ的な要素は外せませんが、全然マイルド。
というか、ほぼギャグ漫画。
あっけらかんと楽しめちゃいます。
貞操逆転な人たち。
市川桃奈。
異世界に迷い込んだ女子高生。巨乳。
入院して目覚めると貞操感の逆転した世界にいた。
川島。
桃奈の友人。
エロ本大好き!のオープンエロキャラ。
神崎。
桃奈の友人。バカ。
家は花屋。
そこの男子、手を上げてーー!
本作の見どころ。
それは「貞操感」を逆転することで、浮かび上がる現代社会への痛烈な風刺。
貞操感の逆転した世界とは…!?
常に性の対象として下品な目で見られ続ける男子。
処女性にはなんの価値もなく、むしろ恥ずかしい!という風潮。
ビールジョッキを持ったもっこりパンツの男子の看板に、テレビではパンツ一丁におっぱい丸出しの女芸人。
うん??
これって…。
元に戻すと普通に行われている日常じゃないですか!
男女の立場を入れかえただけで。
こんなにオカシクなるんですよ?と、揶揄しているようです。
病院で。
ハイ、こんな会話したことある男子、挙手!!
自宅で。
ハイ、パンツ脱いだままで数十分の動画探し、あるよね!
メイドカフェならぬ武者カフェ(笑)
これ、流行るんじゃないか!?
こんなのがいっぱい。
その着想、目の付けどころが素晴らしい。
そして、ふと気づく。
女性視点で笑ってたことが。
男性視点に戻すと、笑えねぇ。
俺、これやっちゃってない!?
やってるわ!
さて、評価は?
やはり注目すべきは、今回の作画力。
天原先生の原作の「味のある」作画と比べると。
さすがに商業誌。
作画の万太郎先生の手腕が光ります。
原作、天原先生のラフネームがエピソードごとに掲載されているのですが、これがまたなんともラフ。
よくぞ、これを。
ここまでの完成度に!
作画担当の試行錯誤と労力の多大さが伺えます。
そして、やはり漫画は物語の面白さがあってこそ。
原作・天原先生のアイロニーたっぷりのエロコメ視点は面白い。
色々と気づかされちゃうこの作品。
まずは【星7つ】でオススメです。
もう一度言いますが。
エロ漫画ではありません。
パンツは脱がずに読んでください。