ストレンジ・ファニー・ラブ

No.365
カテゴリ:ファンタジー
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:チョーヒカル
出版社: 祥伝社
発売日:2017/9/8(1巻)
巻数:1巻以下続刊

「ずっと誰かに触ってほしかった」

またも楽しみな作家さんが登場しました。

奇才と評される著者の漫画家デビュー作。

う〜〜ん? 奇才ですと〜?
おっさんにもなると、ちょっとやそっとでは驚かないよ〜。

なんて意地悪くも思いながら読んでみました。

それがこの「ストレンジ・ファニー・ラブ」です。

概 要

収録作品は以下の7編。

1. ヒコウ少女
2. タイムワープで
3. 不純恋愛
4. 一筆一筆撫でるように
5. 曇りのち晴れ
6. トーカの日
7. アンパンドリーム


感 想

なんでしょう?

確かにストレンジ。

着眼点と落とし所が面白い。

その発想は奇抜というよりバラエティに富んだ良質のファンタジー。

いたずら心と優しさに満ちた作風。
そして、どこか懐かしい。

子供心、好奇心を刺激される。
そんな心地の良い読後感。

その雰囲気は、まるで星新一のショートショートのようです。

一話完結のエピソードですので、深くは掘り下げていかない。

すべて、ふわっとした形で終わります。

でも、それがいい。

そして、全話面白い。

ハズレがない。
そこがすごい!

あくまで発想の面白さだけで読ませてしまいます。

これはサクッと読めるナイスな短編集でございます!


あらすじ&1カット

1. ヒコウ少女
喜んだり、興奮したりすると身体が宙に浮いてしまう奇病の少女。
ゆえに、楽しいことはすべて禁止されて生きてきた。
ある日、大学の構内で一目惚れをしてしまうが…。

3. 不純恋愛
美人な少女。しかし彼女には秘密があった。
背中から肩に硬い鱗が生えている。
ある日、彼女は「幻の生物探索」というサイトに自撮り写真を投稿してみるが…。

4. 一筆一筆撫でるように
絵描きの恋人が残した伝説の筆。
それは描いたものを一瞬だけ現実にするという。
まさとは死んだ恋人の声が聞きたくて、必死に彼女の姿を描いてみるが…。

6. トーカの日
毎月一回、女子に起こるトーカ(透過)という現象。
それは身体がすべて透明になるというもの。
田辺あきは目立たない少女。
そんな彼女がトーカの日にクラスの人気者と遭遇するが…?

僕的には「一筆一筆撫でるように」がそのオチも含めお気に入り。


さて、評価は?

作画はまだ漫画的に上手いとは言い難いところです。
随分とシンプル。

昨今は新人作家さんでも画力の高い方が多いですから。

そこに物足りなさを感じるのも事実。

とはいえ、そこまで精緻な画力を必要とするエピソードではないので…。

とにかくその柔軟な発想が素晴らしい。

なんだかファンになっちゃいました。

ショートショート好きには是非チェックしてもらいたい。

そんな思いを込め【星7つ】でオススメ。

次回作にも期待したい。


ちなみに。

【12/25追記】

本作の表紙。

なんか気になってたんですよね。

やっと謎が解けた。

キノコホテルの某アルバムのジャケットにそっくりなんだ(笑)

(2016.7.27)

著者がファンなのか、どうなのか。

そのアルバム収録曲に『おねだりストレンジ・ラヴ』というのがありますが…。

これも偶然かな。

全1巻を読む
(2017)

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