No.246
カテゴリ:ギャグ
オススメ度2 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
著者:原作:手塚治虫 漫画:つのがい
出版社: 小学館
発売日:2017/1/26(1巻)
巻数:1巻完結
「男子会」
ブラックジャックの新刊か!?
と思ってしまうほどの作画のクオリティ。
ハイ、これパロディ漫画です。
「新人イタコ漫画家、つのがいが天才的画力で描いた神をも恐れぬブラック・ジャックパロディ」
と銘打ったこの作品。
手塚作品を読みあさった者としては、チェックせずにはいられない。
それがこの「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」です。
概 要
原作崩壊!?
ゆとりのB.J、良い子なキリコ、パリピなロック達にピノコのツッコミが炸裂する!
さてと。
どう書こうか(苦笑)
作画は紹介文で煽るだけはあります。
タッチが似てる云々のレベルではない。
もはやご本人かと見紛うほど。
イタコ漫画家・・・。
確かにな!!
紙面の空気感が似ているんです。
単にキャラの模写ではありません。
コマ割、効果音、吹き出し以外のセリフの文字。
全部そっくり。
よくぞここまで!!
この再現性には感動を覚えます。
タッチだけでなくギャグの空気感まで。
ブラックジャックが!ピノ子が!
ドクターキリコが!ロックが!
絶対しない、言わない、ことをやる。
そのギャップを楽しむためのもの。
でも手塚先生が「もし書いてたら」こんなタッチにになるはず。
このギャグの手塚治虫っぽい空気感の出し方は素晴らしい。
じゃぁ、面白いのか?
最初は作画の出来栄えとキャラのギャップにニヤニヤしながら読み進めていたのですが。
・・・・・・・・・・。
おぉぅ。。
ギャグが寒い!!
ギャップでニヤニヤできるのも序盤だけ。
作画に慣れてしまうと、あとは究極につまらないギャグ漫画と化します。
この内容なら最初の数ページで満足。
丸っと一冊買う必要はないやん。。。
と思ってしまったほど。
試し読み程度で十分かと。
作画の出来には惜しみない賞賛を送りますが、それ以前に漫画として読むに耐えないレベル。。
惜しいな。
これ、ギャグ部分だけ、誰かちゃんとシナリオつけましょう!!
そこに愛はあるか?
一番読んでいて感じたこと。
著者はこのタッチを再現するのに手塚作品を読みこんだ事でしょう。
でも。
手塚作品への愛は感じない。
ブラックジャックが好きで好きで好きで。
子供の頃から模写を描き続け。
好きすぎて自作漫画を描いてしまった…。
そんな同人ならではの愛を紙面から感じません。
リスペクトは感じます。
でも愛は感じない。
このニュアンス、伝わりますか?
同じく手塚治虫タッチのパロディ漫画では、田中圭一先生が有名。
こちらは、禁断のエロネタ、下品なネタをしているにもかかわらず。
なぜか手塚漫画への愛を感じてしまうのです。
愛してるからこそ下品なところまでできてしまう。
「神罰」なんてその最たるものでしょう。
これは明確に説明できるものではありません。
感じる、、としか言えない。
フワフワした文章でゴメンなさい!
でも、僕はつのがい先生に問いたい。
そこに「愛はありますか?」
著者のつのがい先生って?
あとがき漫画で描いてあることを鵜呑みにすると。
ペンを握ってなんと1年半。
塾講師をしていたが、仕事を辞めて。
ギリギリの生活の中。
たまたま描いた手塚漫画のパロディをSNSに投稿。
それが手塚るみ子さん(手塚治虫の長女)の目に止まり、書籍化へ。
と、まるでシンデレラストーリーのよう。
でもね。
著者って女性なんですよね?
はっきりとカミングアウトはされていません。
しかし、そうだろうと。
イケメンに自画像を描いている、つのがい先生。
もうすでに「あとがき」がフィクション(笑)。
漫画用のペンを握って1年半は本当かもしれません。
しかし「絵を全く描いたことがない」かのように描くのはいかがなものか。
絵を描き続けていた人ではないと、さすがにこれだけの作画は無理でしょう。
もし本当なら正真正銘の天才。
あと半年あれば荒木飛呂彦先生のタッチを習得できます。
もう半年あれば三浦建太郎先生の作画ができるかも。
なんだか、端々に滲み出てるんです。
「たまたま上手く行ったんです」感。
「努力はしてないんですよ」感。
なんだか嘘くさい。
と思ってしまうのは、僕の性根が悪いせいか(笑)
さて、評価は?
予想通り。
Amazonレビューも評価が真っ二つ。
しかし概ね好評価が多い。
しかし、好評価のレビューを読むと。
皆作画の良さに感動しているだけな気がします。
漫画の内容は二の次、三の次。
懐かしい作画に感動したい人には十分満足できるクオリティ。
漫画として読みたい人にはオススメはしない内容。
さぁ、どうしましょう?
僕的には【星2つ】。
パロディではない、新作を描いてくれるなら読んでみたい。