VECTOR BALL

No.284
カテゴリ:バトル・ファンタジー
オススメ度5 ★★★★★☆☆☆☆☆
著者:雷句誠
出版社: 講談社
発売日:2016/7/15(1巻)
巻数:5巻完結

「大丈夫だ 守ってやる」

「金色のガッシュ!!」で大ヒットを飛ばした雷句誠先生の新作。

久々の週刊連載。
王道バトルファンタジー。

となれば、もう。
読むしかないかと。

それがこの「VECTOR BALL」です。

あらすじ

米炊おかかは、ある日謎の球体のようなパズルを拾う。

そして学校の中で遭遇する数々の異変。
その異変にたった一人で立ち向かう群青新太。

やがて“戦う意志”を持つ二人が出会い、物語は動き出す…。


感 想

えっ!?

って声が出ました。

僕は連載は読まないコミック派です。

なので、今回も5巻を読み終わるまで、これが最終巻とは思っていませんでした。

次巻に続く。

みたいに終わる5巻の最終話。

次ページのあとがきで、これ。

ええええ????

突然終わります。

打ち切りです。

いや~マジびっくりした。

これほどぶった切った終わり方をした漫画はそうそうありません。

ちょっとくらい事前情報を仕入れておけよ!
と自分のことながら思いますが….

とはいえ、こうなる予感は薄々していました。

だって。
この5巻の表紙。
(2017/5/17)

「最終巻っぽいなぁ」と思ったんです。

今までのキャラが全員集合ですもん。

でも、表紙ではそんな匂いがあったとしても。

本編では最終話でさえ、全く終わりの匂いがしません。

それはある意味すごい!

打ち切りが決まった作品って。
急に伏線を回収したり、慌てて物語を閉じようとしますよね。

でもこの作品にはそんなところがまるでなく。

ブツッ!

って突然終わります。

投げやりなラストではありません。

でも、、、これってアリなのかぁ!??

VECTOR BALLな人たち。

人間界を乗っ取りにきた「思念体」という存在。
単体では存在できず、あるパズルを解いた人間に乗り移ります。

思念体はそれぞれが何かの物質を作り出す能力を持ちます。

米炊おかか。
パズルの天才。VECTOR BALLを解く。
思念体に乗っ取られずに、ベクターの力を手に入れる。
ブスを見て笑うのが趣味の最低なヤツ。

群青新太。
思念体が乗り移っている。
鉱物を出せる能力。

ベクター。
VECTOR BALLに閉じ込められていた存在。
思念体とは違う。
他の思念体の能力を加工することができる。

魑魅くん。
おかかの数少ない友達?
ブスを召喚する技を持つ。
最終話、最後のコマを飾る。


ガッシュの影が…。

大ヒットした代表作「金色のガッシュ!!」。

今作「VECTOR BALL」は「ガッシュ」の二番煎じ的なストーリー。

知力とひらめきのある主人公。
特殊能力のある魔物(思念体)。

いわゆる王道。
人間と魔物のバディもの。

友情 & バトル!!

確かに新鮮味はありません。

でも! だからこそ。
「ガッシュが好きな層」は手に取りやすかった。

ガッシュで言う所の「魔物」が「思念体」という名前に変わりました。
バトルの形や特性も違いますが…。

主人公が知力を駆使して、自分たちより強大な敵を打ち破っていく姿はガッシュの雰囲気そのもの。

この手の形!
完全に「ザケル!!」って聞こえてきそう。

一緒やんけ!

さすがにガッシュの影が大きすぎか(笑)

で「ガッシュ」から離れようとしたのか。

途中、複雑な設定を入れたため、物語はやや迷走するところも。


そして、打ち切り。

今でこそコミック派ですが、昔は雑誌派。

僕は少年サンデーを愛読してましたので、ガッシュはリアルタイムで読んでました。

もちろん大好きな作品。

なので。

多少「ガッシュ」ぽいところも。
二番煎じっぽい展開と設定も。

全然良かった。

それより何より。

能力を使ったバトルが面白かったんです!

やっぱり雷句先生には王道バトルファンタジーが合うなぁ!
なんてニヤニヤしながら読んでました。

きっと同じ気持ちで読んでいた、ガッシュからのファンの人もたくさんいたはず。

そんな読者をある意味裏切る形となった今回の結末。

著者自身、不本意な終わり方でしょう。

雷句先生のブログにて、連載終了について思いを述べておられます。

➡︎雷句誠の今日このごろ。

要するに。

アンケートが取れない。
でも編集のテコ入れは拒否。

で、打ち切りと。

う…う~~~ん。

もう少し続ける選択肢はなかったのかなぁ。


さて、評価は?

5巻まで、全く飽きさせず。
バトルファンタジーものとして、普通に面白い。

それだけに。
突然のぶつ切りが勿体なすぎて…。

なんとも残念な【星5つ】

読んでしまうと、不完全燃焼な読後感となります。

未完と知りつつ。
読んでみるならいいかもしれません。

全5巻を読む
(2016〜2017)


【その他の雷句誠作品】

どうぶつの国 全14巻
(2010〜2014)

金色のガッシュ!! 全33巻(新装版は全16巻)
(2001〜2008)

スポンサーリンク
osuman_336x280