No.165
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン
オススメ度10 ★★★★★★★★★★著者:一色まこと
出版社: 小学館
発売日:1994/1(1巻)
巻数:5巻完結
「あ・・オイラ死んじゃうんだ」
「ピアノの森」で有名な一色まこと先生。
そのもう一つの代表作と言えば、やはり「花田少年史」!!
第19回講談社漫画賞受賞作品。
幽霊が見える花田少年が巻き起こす、ドタバタの人情ハートフルコメディです。
あらすじ
少し昔の、古き良き日本の田舎が舞台。
事故がきっかけで、突然オバケが見えることになった花田少年。
幽霊たちに頼まれて彼らの「この世の未練」をあの手この手で解決していく。
幽霊モノといっても、怖い要素はまったくなし。
出て来るオバケ、みんなみんな愛らしい。
前回の記事でも書きましたが、この頃の一色作品の特徴はドタバタコメディ。
最初の1〜2巻はコメディ要素が強く、後半になるにつれハートフルな要素が増えていきます。
エピソードの一つ一つがとても良くできています。
思わずほろっとしてしまう。
笑って泣ける。
特に4巻の最終エピソードと、番外編の5巻のエピソード二つ。
これはダメ。
あかんヤツ。
子持ちに、このエピソードはあかんです。
初読みならまだしも。
何回読んでも泣けてしまう。
でも、悲しい涙じゃない。
切ないけれど、あったかい、嬉しいって感情が押し寄せて来る。
主人公の花田一路少年もさることながら。
まわりには、一色まこと先生お得意の、わんぱくな愛くるしいガキどもが一杯出てきます。
もう、本当に「笑って泣ける」
このキャッチフレーズ通り。
再出版が多い。
そして、この「花田少年史」。
連載終了後に再評価されたパターンの作品です。
ですので文庫版や新装版など、何度か再出版を繰り返しています。
どれが、本当なの?
収録作品は変わってるの?
いえいえ。
そんなことはありません。
基本は、全5巻。
ただ全5巻と書いていますが、本当は4巻で終わりなのです。
そのプラス1巻分、5巻までの道のりが面白い。
10年経って。
連載時期は1993〜1995年。
その時、刊行されたのは全4巻。
その5年後、アニメ化が決定します。
すでに「ピアノの森」の連載が始まっていた時期。
そのアニメ化に合わせて新作を描き下ろす、という形で5巻目の番外編が生まれました。
5巻目が刊行したのは2004年。
なんと連載終了から10年近く経った後です。
エピソードは時間軸でいうと4巻最終話の前のお話になっています。
番外編はスピンオフでなく、キャラも同じ、設定も同じ。
物語の時間軸も同じです。
これほど期間をあけての番外編というのは珍しいですね。
さて、評価は?
この作品は人間愛にあふれてます。
心がささくれてしまった時。
ちょこっとへこんでしまった時。
そんな時、読んだら元気がもらえるはず!
【星10コ】でオススメです。
【その他の一色まこと作品】
出直しといで 全6巻
(1988〜1992)
記事を読む