No.106
カテゴリ:ドラマ・ヒューマン/1巻完結
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:柳本光晴
出版社: 双葉社
発売日:2014/2/10
巻数:1巻完結
「きれいに死のう」
作者のことは何も知らず。
中古本屋で何気なく手に取ったこの本。
表紙とタイトルに惹かれました。
それがこの「女の子が死ぬ話」です。
あらすじ
高校に入って、初めて出来た友達は、出会って数ヶ月で死にました――。
少女漫画のような青春に憧れる少女・千穂は高校入学初日に同じクラスの和哉・遥と知り合い、意気投合する。
和哉への淡い恋心を抱きながら充実した高校生活を過ごす千穂。
しかし、彼女は知らなかった。
親友の遥が不治の病に冒されており、あと数ヶ月しか生きられないことを…。
まず結果がありきのパターン。
タイトルでわかりますもん。
ああ、この子が死んじゃうんだ…と。
この作品には主人公が3人います。
死んじゃう女の子。
その子と友達になった女の子。
死んじゃう女の子と幼馴染の男の子。
女の子が死ぬまでに。
この3人がどのような選択をし、想いを共有し、そしてすれ違っていくのか。
まず結果を描き、そこから過去に遡っていく構成です。
切なすぎる。
死を前にして15歳の女の子がこれほど気丈に振舞えるのか?
「きれいに死のう」この決意には深い意味があります。
きれいな姿のままで、好きな人の想い出に残りたい。
だから最期は見せない。
最期だからこそ会わない…。
もう切ない。
切なすぎるわ。
最終話などはもう切なすぎて喉の奥が痛くなる。
さて、評価は?
作画は精緻とは言えません。
それでも。
テーマのせいでしょうか?
不思議な清涼感があります。
読後、いつまでも切なさが残るこの作品。
ぜひ、読んでみてほしい。
オススメの【星7つ】です。
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