おもいでエマノン

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No.90
カテゴリ:ファンタジー/1巻完結
オススメ度7 ★★★★★★★☆☆☆
著者:原作: 梶尾真治 作画:鶴田謙二
出版社: 徳間書店
発売日:2008/5/20
巻数:1巻完結

「数時間一緒にいても 数十年間一緒にいても 同じことなのよ」

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原作は「黄泉がえり」で有名な梶尾先生。
作画は寡作で有名な鶴田先生。

これは奇跡のコラボレーション…。

単行本の帯では「鶴田謙二5年ぶりのコミックス」の煽りが(泣)

あらすじ

時は1968年。九州へ向かうフェリーの客室で、男は不思議な娘と出会った。
ジーンズにナップ・サック。ながい髪、おおきな瞳、そしてわずかなそばかす。
彼女の名はエマノン。

やがて船内の食堂で彼女はそっと語り出す。

「私は地球に生命が発生してから現在までのことを総て記憶しているのよ」

彼女の口から紡ぎだされる、『地球』のおもいでたち。

果たして彼女は空想家なのか?それとも…。


感 想

一度読めば、エマノンの不思議な魅力にとりつかれてしまいます。

繊細かつ、それでいて揺るぎない画力。
エマノンの深く、澄んだ瞳。

確かに「すべて知っている」という空気感が漂います。

この表現力は鶴田先生の絵だからこそ。

ストーリー中に明確な答えは語られません。
謎解きもありません。

主人公の男の人生の中での、ある数時間の出来事。

だからこそ。

記憶に残るというか。
忘れられなくなるその存在。

読後…いつまでも不思議な「煙に巻かれた」ような感覚が続きます。


漫画版は
「おもいでエマノン」
「さすらいエマノン」
「續さすらいエマノン」
と三作あります。

漫画だけれでも、漫画で終わらない。
芸術作品でもない。

ただ心に残る。そんな不思議な作品、ぜひ読んでみて欲しい。

全1巻を読む
(2008)

シリーズまとめ読み


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