No.148
カテゴリ:SF/ドラマ・ヒューマン
オススメ度8 ★★★★★★★★☆☆著者:真造圭伍
出版社: 小学館
発売日:2016/2/12(1巻)
巻数:3巻完結
「弟よ、何をしている?」
「森山中教習所」「ぼくらのフンカ祭」「みどりの星」と個性的な青春譚を描いてきた真造圭伍先生。
その新作はなんとSF青春ストーリー。
もちろん、いつものユーモアたっぷり。
それがこの「トーキョーエイリアンブラザーズ」です。
あらすじ
東京の街に暮らすイケメン大学生・冬ノ介。
ある日、突然謎のエイリアンが目の前に現れる。
「弟よ、何をしている?」
彼らは地球外の惑星からの先発隊。
弟の後を追って派遣された兄・夏太郎。
彼らの目的「地球移住計画」のために、未知の生物「人間」を学ばなければいけない。
かくしてエイリアン兄弟の東京暮らしが始まった…。
ウン、面白い!
優秀な弟とダメな兄という。
いわゆる兄弟漫画のテンプレートのような設定。
それがエイリアン、という味付けをプラスすることで。
今まで食べたことのない美味になりました!
みたいな。
兄の愚直でドジで真面目っぷり。
これは今までの作品にも共通する泥臭さ。
メチャクチャ応援したくなります。
ちょっとズレてるけど、憎めない。
そんなキャラを描かせると上手い。
エイリアンな人たち。
兄・夏太郎。
弟の後を追って地球に派遣された。
ドジでいつも失敗ばかりしている。
弟・冬ノ介。
地球外の惑星からの先発隊。
優秀で母星からの信頼も厚く、兄に秘密の任務を負っている。
本体はこんな軟体生物。*兄です。
エイリアンも汗をかく。
これはエイリアンの青春群像劇。
ダメな兄が地球に馴染もうと四苦八苦。
でもやっぱり、失敗ばかり。
それに対しすべてをソツなくこなす弟。
周囲の人間の評判も上々。
しかし。
大事な何かが欠けている。
そしてそれが何か自分ではわからない。
その何かを兄は持っている…。
やがて、初めて芽生える「嫉妬」という得体の知れない感情に悩む…と。
もがいて、ぶつかって、落ち込んで。
涙流して汗かいて。
まさに青春ストーリー!
1巻は弟の姿を中心に、2巻では奮闘する兄の姿を中心に描いています。
展開もサクサク進みます。
2巻の兄が頑張る展開になってから一気に面白くなっていきます。
さて、評価は?
作画は「森山中教習所」「ぼくらのフンカ祭」の頃と比べると、格段に見やすくなりました。
でもそれを、以前に比べ「勢いがなくなった」と評する人もいます。
確かに以前は荒さが、青臭さとなり青春ストーリーとマッチしていたかもしれません。
作り手というのは、どんどん洗練されていくものだと思います。
無駄がなくなり、演出が上手くなり、見せ方が確立されていく。
作画のクオリティは確実に上がっています。
コマの隅々に遊び心があふれてるのも嬉しい。
今作は絶対面白くなりそう。
なので期待を込め【星8つ】。
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