オゲハ

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No.143
カテゴリ:SF/ファンタジー
オススメ度3 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

著者:oimo
出版社: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
発売日:2015/10/10(1巻)
巻数:3巻完結

「アゲハ蝶の汚いヤツだからお前の名前はオゲハな」

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この漫画をどう評したらいいのか。

引き込まれる。
続きが気になる。
怖いもの見たさ?

でも、ぬぐいきれない嫌悪感がつきまとう。
そんな作品がこの「オゲハ」です。

あらすじ

ある日、中学生男子・キジは近くの公園で大きな謎の蛹を見つける。
躊躇もなく蛹を破るキジ。
するとそこから出てきたのは人間の顔して蝶のような胴体を持つ不思議な生物だった。
キジはその「謎の生物」をマンションに連れかえり、自室で飼うことにしたが…。


感 想

「アゲハ蝶の汚いヤツだからお前の名前はオゲハな」
この名付け方に主人公・キジの歪な性格が表れています。

よく不器用な主人公っているじゃないですか?
愛情が上手く表現できなくてもどかしい、みたいな。

本作の主人公はそんなレベルじゃない。
人の痛みに共感しない。
興味がない。
明らかに感情のどこかが欠損している。
そこに薄ら寒さを覚える。


好きになれない存在感。

ただ逆に言えば、作品としての主人公のキャラは立っている。
尖っている。
好きにはなれない。
でも存在感は確かにある。

不思議な生物を飼う。
ともすれば、ほのぼの日常系漫画になっても良さそうな設定。

でも、それをこの主人公が許さない。
いつでも気まぐれに羽をむしってしまいそうな怖さ。
緊張感がつきまとう。

これを狙って描いてるのだとしたらすごい。
サスペンスドラマのような練り上げられていく緊張感ではない。
不意に終わってしまうような。
理不尽な結末を迎えそうな予感がつきまとう。


可愛いくないビジュアル。

そしてもう一人(一匹)?の主人公、オゲハ。
オゲハを可愛い、と評するレビューもありますが…。
僕はそうは思えませんでした。

蝶というより蛾に近い、でっぷりと太ったお腹。
そこに生えている節足動物の足。
そして胴体は少年?もしくは少女のようなビジュアル。

グロテスクにしか感じない。
よくもこんなデザインにしたものだ、と逆に感心してしまう。

そして常に怯えたような表情のオゲハ。
時折みせるキジの気まぐれな優しさに、安堵の表情を見せる。
仕草はもう、いじめられっ子のそれでしかない。

いわゆる扉絵で「少年 meets 不思議な女の子」ともありますが、いやいやいや。
これはないでしょう。

meetsというより一方的な拉致監禁です。


さて、評価は?

3巻完結。
テンポはよいので、あっというまに読み終わりました。

結末は…ハッピーかアンハッピーか?
それは読んで確かめてみてください。

本作は好き嫌いがバッチリ分かれそう。
生理的に受け付けられるかどうか。

なので【星3つ】

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