No.98
カテゴリ:SF/1巻完結
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆著者:鬼頭莫宏
出版社: 太田出版
発売日:2005/11/1
巻数:1巻完結
「私が殺されているんです」
鬼頭莫宏先生が描く、歪な愛の形。
概 要
収録作品は以下の7編。
「誕生日の棺」
「3年間の神」
「生死者の聲」
「媚薬水の味」
「座敷童の印」
「造物主の檻」
「渉猟子の愛」
あらすじ
殻のように上へ上へと積み上がってゆく都市。
それがいつの時代からか? 何のために?
誰も知らない。
幾層も幾層も重なってゆく。
最下層は忘れ去られた住人たちが住んでいる。
そんな「殻都市」と呼ばれる街のお話。
二人の捜査官を主人公に「殻都市」で起こる様々な事件を追ってゆくオムニバス・ストーリー。
一話ずつ独立したエピソードですが、登場人物が同じなのでシリーズものといえるでしょう。
鬼頭節が全開。
儚く脆い。
生と死と性と愛がテーマに描かれています。
ゆっくりと終わりを迎えつつある都市の記憶。
もしくは人類の終幕。
作品から感じる退廃的な匂い。
このディストピア感が素晴らしい。
SF要素よりも、ミステリー&エロ要素が多めです。
エロティクス!
掲載されていたのが「マンガ・エロティクス・エフ」です。
必ず一話につき1シーンはエロを入れる必要があったのだと思われます。
同じく「マンガ・エロティクス・エフ」に掲載されていた「終わりと始まりのマイルス」とは随分と作品のカラーが違います。
鬼頭作品をいくつか読んでいる人は周知のことですが、鬼頭先生のエロは未成年の性的描写が多いです。
はっきり言ってロリータです。
子供を持つお母さんなら嫌悪感を抱くシーンもあるかも。
高校生、大学生なら「これ、面白いで!」とお友達に進めると、あらぬ誤解を招くかもしれません。
なので、貸し借りするときは取扱注意ですよ!(笑)
さて、評価は?
とはいえ。
それほど過激なシーンはなく、エロも必要最小限。
ストーリーとしては抜群に面白い珠玉のSF短編集です。
ただオススメするのは男性諸氏を中心としますので【星6つ】。
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