No.287
カテゴリ:ホラー
オススメ度6 ★★★★★★☆☆☆☆
著者:ひよどり祥子
出版社: 秋田書店
発売日:2012/8/1(1巻)
巻数:1〜9巻以下続刊
「死んだ人間の姿が見えるんだ」
これぞ、ザ・正統派ホラー!!
昨今はゾンビ系ばかりのホラー漫画界において。
なんともオールドな、ど真ん中をいくこの作品。
それがこの「死人の声を聞くがよい」です。
あらすじ
岸田純は死んだ人間の姿が見える高校生。
あるとき彼の前に現れた美少女は、行方不明の幼なじみ・早川涼子で…。
新しいのに古めかしい。
古めかしいけど新しい。
なんだこれ?
70〜80年代のホラー好きにはたまらない雰囲気。
全体的に黒っぽく墨っぽい絵柄。
おどろおどろしさもグロさもある。
そして目のぱっちりした美少女。
ホラー漫画においてこれは外せない。
いやはやなんとも。
ザ・正統派ホラー。
「死人が見える」という主人公の設定も鉄板です。
ほとんどが一話完結のオムニバスストーリー。
昔の古典ホラーのノリそのもの。
ある意味とっても読みやすい。
オカルトな人たち。
岸田純。
霊感体質。死人が見える。
ある事件をきっかけに霊となった早川涼子と行動を共にする。
早川涼子。
岸田純の幼馴染。
ある事件に巻き込まれ命を落とす。
幽霊となって岸田純を導く。喋れない。
式野会長。
オカルト研会長。
強引に岸田を部員にしてしまう。
腹黒くゲスな先輩。
まさに古典ホラー。
読んで思ったのは。
その物語の進め方。
これがなんとも古典っぽいです。
主人公を中心に起こる怪異。
導入部はじっくりと。
少しづつ、少しづつ。
だんだん暗く陰鬱な世界へ引き込んで行きます。
そして姿をあわらす怪異!!
捲き起こる、悲鳴、阿鼻叫喚!!
ここから二転三転あるか?と思いきや。
怪異があわられてからはお話は一気に収束します。
だいたいオチは数ページで終わり。
若干、竜頭蛇尾とも言えるエピソード。
怪異に明確な説明はありません。
多少理不尽でもお構いなし。
怪異ですから!
う〜ん…(苦笑)
嫌いじゃないけど。
強引さは否めない。
さて、評価は?
好き嫌いが分かれそうなホラーです。
巨匠・楳図かずお大先生のように。
多少理不尽で不可解でも絵と雰囲気で読ませてしまう。
そんな作風。
でも楳図先生ほどおどろおどろしくない。
グロいシーンもありますが、怖さはマイルド。
伊藤潤二先生ほどオチに驚きはない。
耽美的でもない。
僕的にはもう一息。
いや、面白いんですけどね。
ふ〜〜む…くらい。
5巻まで読んだら「もういいかな」ってなりました。
もう少し刺激が欲しいな、の【星6つ】です。
既刊9巻。
オムニバスですから何巻から読んでも楽しめるはずですが、キャラが少しづつ増えていくので、順を追って読むのが良いかもしれません。
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